McDonald & Giles - McDonald & Giles
![Mcdonald & Giles [HDCD]](http://ec1.images-amazon.com/images/P/B00006C790.09._AA240_SCLZZZZZZZ_.jpg)
クリムゾンを脱退したばかりのイアン・マクドナルドとマイケル・ジャイルズによるユニットがクローズアップされているものの実際にはピーター・ジャイルズという弟くんやピート・シンフィールドの歌詞までもが登場するワケで、実質これだけでもオリジナルクリムゾンを凌駕するほどの面子でしょ?そこに何とマルチプレイヤーとして既に世間に知られていたプロ中のプロ、スティーヴ・ウィンウッドがその隙間を埋めるように華を添えているのだ。
アルバムを流すと最初から心地良いギターサウンドで英国だなぁ~っていう感じなんだよ。こういうのはB級もメジャーも関係なしで音色で反応してしまうところなんだけどさ、ドラムが入ってくるとね、あぁ、これこれ、これこそマイケル・ジャイルズのドラミングだよ、っていうプレイと音。このスネアが心地良いのだ。最初から11分の曲で歌詞も一応あるんだけどコーラスワークの方が印象的で、そもそも歌っていう部分が少なくて長い起承転結を持ったインストものに近い音。そして更に心地良くさせてくれるのがフルートの音だよ。クリムゾンで聴けた優しい世界だけを抜き出したアルバムって感じで本家がハード路線を走っていたのとは別にクリムゾンのもう一つの側面を全面に出していったのがこの作品。ピーター・ジャイルズのベースもクリムゾンらしいと言ってはおかしいけれど、しっかりとこのバンドにハマっている、そしてプログレッシブにラインを刻んでいる素晴らしいものだ。多分スティーヴ・ウィンウッドが弾いていると思う鍵盤もかなりアヴァンギャルドで、クリムゾンでのキース・ティペット
なかなかクリムゾン関連のアルバムを漁らない人でもこの作品は是非聴いてもらいたい一枚で、ホントにクリムゾンの毒の部分が抜けた感じの英国プログレッシヴ…というかそんなにプログレって感じでもなくって、英国ロックの音、そしてこれぞメジャーの音とも云える作品。いわゆるB級バンドと呼ばれる類の音楽性と同じようなサウンドの結果となっているものの当然ながら圧倒的にメジャーな音に仕上がっているという素晴らしきアルバムだね。
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