



いわゆるロック映画モノで印象深いのが
プリンス
の
「パープルレイン」
。自身が主演監督しているというエゴの固まり丸出しなんだけど、これが良い作品に仕上がっているから世間的にも評価されたし多くのファンを掴んでいるんだろう。コイツももちろんレコードから、と言うか「ベストヒットUSA」やMTVのおかげで世間的認知が広まったのは確実だし、自分自身もそれから入った一人なのだ。見た目に問題ありなのでなかなかスパッとハマれる人も多くないと思うけど、やっぱ音が先だったから新鮮だった。今思えば、ブラコンとかロックとか境目を超えた、完全にロック畑で勝負してきた作品だし、これまでの
プリンス
の作品史から見ればかなり異色なアルバムでもある。飛び抜けてロックなんだなぁ、これが。
前作
「1999」
からの「Little Red Corvette」なんてキャッチーな曲を耳にしていた程度である日突然売れたのが「When Doves Cry」で、何これ?って感じのビートにいやらし~~い歌が絡んできて、プロモは風呂場を這い回っているやつだし、インパクトあったわ。で、その後に「Let's Go Crazy」の軽快なロック、しかも
プリンス
のギタープレイがとにかくそんじょそこらのロックギタリストよりも圧倒的にカッコ良かった。この頃ってHR/HM全盛期なので速弾きギタリストだっていっぱいいたし、片やヴァン・ヘイレンの
「1984」
なんてのが売れてたワケだから、そんな中でも凄くエモーショナルなカッコ良いギターを弾いていた
プリンス
は本物だった。ギターってのはエモーショナルに弾ける楽器で、音を奏でるだけの楽器にしちゃいけない。うん。
そしたら
「Purple Rain」
よ。こいつも楽曲の良さは当然だけどやっぱり後半部のギターにシビレた一曲だ。リサ&ウェンディっていうアクセントもあってどの曲を切り取っても面白いアルバムになってる。シングルカットもいっぱいあったし。で、映画の方はそれらが全部繋がっていて間にザ・タイムやシーラE、アポロニア6なんてのが絡んできて、紫色に染められたバイクも印象的だけど基本的にライブシーンをふんだんに取り入れたプリンスの大がかりなプロモーション映画だったんだろうなぁ、今思えば。見事にそのプロパガンダにハマった気もするけど、それはそれで良かった。プリンスは色々な作品あるけど、これがロック好きには一番良いでしょ。
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