Jade Warrior - Released
3 Comments

この時代の英国にはホントに色々と考えて出てくるヤツが多くて、その多彩さ加減は他に類を見ないほどのバリエーションじゃないだろうか?なんて思う。この時期のデヴィッド・ボウイが非常に日本について関心を持っていて知的な彼の場合は密やかに研究していたようだが、それ以外にはこの頃の英国に日本をテーマにするバンドもそうそうなかった。せいぜいWebというバンドから発展したSamuraiっつうバンドがあったんだけど、まぁ、名前がそれっぽいなぁ~、くらいのもので中味は別に和風なモノでもないしね。もっとも70年代後半にもなればかの有名なJapanなんつうのが出てくるんだけどさ。英国から見た日本ってどんなんなのかなぁと興味はあるけどなかなかそういうのはわかりにくい。
話逸れるけど昔オランダのアムステルダムっつうトコに行った時に博物館に行ったんだよね。そしたらいっぱい浮世絵があったり、篭があったり刀があったりと日本の文化が展示してあって、日本にいるよりも日本のものに触れられたっつう経験があるのだが、英国にはそういうのないだろうしなぁ…。
で、本日はそんな奇特な日本を思い切りテーマにしたJade Warriorっつうバンド。バンド名はそのままサムライっつう意味。アルバムデビューは1971年、こんな変なバンドはもちろん我らがヴァーティゴからしかリリースされない(笑)。このファーストアルバムの時点からかなり独特のバンドサウンドを生み出していて、かなり異端の扱いだったと思うんだけど、音的に一番ヘヴィーで透き通っていて混沌としているっつうのがセカンドアルバム「Released」ではないかと。なんつうのかエスニック風味とも云えるし多国籍サウンドとも云えるちょっとそこらでは聴けない独自性を持っていて、基本的にはハードロック…、ヘヴィロックに近い音もあるけど、何故かものすごくクリスタルな音も奏でていて、表現が難しいね。歪んでるっつうのはもう綺麗な歪み方じゃなくってそうだなぁ、ハイタイドみたいな歪み方でうるさい!っていう感じなんだけど、周辺の楽器…、フルートとかサックスとかがギターと一緒に鳴り響くからハンパじゃないワケよ。んでサイケデリックな雰囲気もあるしさ。でも一方では同じフルートなんていう楽器が透明感溢れる音を出していてバラード系は見事に綺麗。う~ん不思議。そんな不思議感の集大成が7曲目の「Barazinger」かな。15分の大作でインストモノなんだけど聴いているとなんかこうハマる。三枚目まではヴァーティゴにいたけどその後はアイランドレーベルに移ってジャケットなんかもすっきりとしていくんだけど、その辺の布石となる音がこの曲だね。イメージ的にはアイランドの方は透明感をクローズアップ、ヴァーティゴ時代はヘヴィさを打ち出していた、みたいな感じ。
ジャケットもオリジナルは6面開きで、まぁ、浮世絵…というかやはり西洋人から見た東洋の絵、っていう感じだけど凝ってる作りで、やっぱヴァーティゴからの三枚がいいな。ちなみにここ最近も活動しているみたいで新作が出ているようだ。オリジナルメンバーは一人くらいしかいないみたいだけど…、やるなぁ…。
- 関連記事
-
- The Greatest Show On Earth - Horizons
- Jade Warrior - Released
- Gravy Train - Gravy Train