Gravy Train - Gravy Train

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 様々な音楽の融合こそがロックの醍醐味でもあり、古くから多くの人達がそれを模倣して新たなるサウンドを創り上げてきている。そして不景気だった英国の若者達はこぞって音楽=ロックバンドで飯を食うということに気づき始めて、それはもちろんアートスクールの先輩方の活躍によるトコロも大きかったのだろうが皆が皆楽器を手に取ってラジオでは流れてこない音楽を自らが創り上げてやろう、みたいな血気盛んなシーンの状況があったようだ。それが一気に爆発してきたのが1970年頃、サイケデリックムーブメントもそこそこにブルースとハードロックの融合、そしてそこに更なるサウンドを加えていくことで独自性を打ち出すバンドが多くなってきた。



 Gravy Trainと名乗る4人組のバンドもその一角を担っており、またその融合性のセンスはなかなかのものだと今でも語り継がれているバンドのひとつ。彼等はブルースロックというひとつのカテゴリにフルートやサックスと言った管楽器を加え、音楽的にも唐突な変拍子をノリの良いままに強引に挟み込むという、結局はそれが面白い効果と思い切りアングラな作風を生み出すこととなってひとつのバンドの方向性を打ち出したか、に見えた…のはセカンドあたりまでかな(笑)。いや、やっぱりパッと出てきたバンドが継続するとあまりロクなことにならないという典型でもあるのだが、ファースト一作で終わっていたらかなりインパクトのある無名バンドになっていただろうに、ロジャー・ディーンを起用したジャケットで有名な4枚目の作品があまりにもジャケの素晴らしさと中身のギャップが大きかったためか、リスナーをがっかりさせてしまうバンドのひとつにも数えられる(笑)。

 いや、ファーストは凄く面白いんだよ。1971年リリース、ジャケットはこう見えても実はヒプノシス。言われてみるとなるほどちょっと構図がヘンでしょ。ドラムはドコスコって感じなのにフルートの音色が響き渡るのでえらく繊細に聞こえてしまう曲が多く、そこにドロドロのブルースギターが絡んでくるもんだから不思議な不思議な音になる。しかも歌もねちっこくてしゃがれた声なので泥臭さのないフルートの音色が更に浮き立つ、そんな感じ。曲はもう無理矢理変拍子っぽくしてるのとかね、あるけど基本はブルースロック、だと思う。テクはそこそこあるのでジャジーな感じがしたりするけど、3曲目あたり聴いてるとこのバンドの真髄かなっていう気がするくらいにヘヴィーなブルースだしさ。そうだね、長めの曲が多いんだけどプログレらしい起承転結っていうのではなくてアップダウンっていう感じの組み立てなので、やっぱ力技での曲展開。B面なんてそんなので2曲なんだから大したもんだ…。このバンド、間違いなく男のファンしかいなかったんじゃないかと思うような泥臭さと汗臭さが漂う英国にしては珍しい感じのバンド。その分セカンドではややアメリカスワンプ寄りになった感じもするかな。
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フレ
Posted byフレ

Comments 8

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jerry  
ロジャー・ディーンに癒されました・・・・・

社会人1年生の時でした。仕事に行き詰って、
どうしようもなくストレスとなれない土地に
戸惑っていた時、休みの日に初めて行った
中古レコードやで、偶然見つけた右のアルバム
勿論、ダブルジャケット(外盤ですが)。

このアートワークにどれほど助けられたか・・・
内容よりも・・・・
ロジャー・ディーンを追いかけるきっかけになりました。

ファースト・・・・ヒプノシス!知らなかったです(マジすか~)

2007/02/21 (Wed) 09:13 | EDIT | REPLY |   
evergreen  
1STだけ好きです(細かく言うと)

これは最高のバンドだと思います。
1STの始まり方がどんどこどんどこ~~~永遠にやってて、
そこから一気にのりのりTRAIN~
ファンキー&ブルージーな展開がたまらないです。


私の頭の中は、こういう曲が常に鳴ってます(>。<)

書いてあるとおり・・・その後グレード上げすぎて失敗したね・・・

1STのジャケは今なら・・・何処かの保護団体からクレーム来ると思う(笑)

2007/02/21 (Wed) 09:40 | EDIT | REPLY |   
papini  

えっと、ロジャー・ディーンのジャケに欺されたpapiniです(笑
いやぁ、コイツには参った(笑
だってさぁ・・・内容がさぁ・・・ねぇ。
最初にこれを聴いてしまったので、
どうも追えないバンドなんだよね。
面白いよ、って言われたんだけど
どうにもこうにも、手が出せないのよ。

あのロジャー・ディーンのジャケのせいで(笑

2007/02/21 (Wed) 10:25 | EDIT | REPLY |   
白熊店長  

♪ フレさん、皆さん、こんにちは。
Dawnでの2枚がPグレ者達からボロクソ扱いされているGravy Trainですが、僕は割と好きだったりします。
 まあ、内容的にはVertigoでの2枚には敵いませんが、英国ロック好きにはC級に近いB級というのも魅力を感じるものです。(←単なる捻くれ者)
Dawn盤ならば”Second Birth”の方が面白いかも。
 さて、Vertigoでの2枚…これは外角ぎりぎりのB級ですかね。
特に1stのドンドコドンドン…ていう始まり方からしてB級の匂いがプンプンですねえ。
この国内盤(ちゃんと表はVertigoロゴになっていた)を持っている人は…上の人の父上=達人殿ぐらいですかねえ。(笑)
 確かに2ndはスワンプ寄りのサウンドになっている気がしますね。でも、こいつも好きだったりします。
Gravy Trainって、結局は名前のとおり(『濡れ手に粟』の意味)にはならなかったけれど、そこがまた英国ロックの層の厚さであり、奥の深さでもあると思うのですがねえ。

2007/02/21 (Wed) 12:00 | EDIT | REPLY |   
evergreen  
もう1回!

すみません、あんまり皆様がロジャー・ディーンといわれますんで・・・よーく見たら・・・
大オチャラケですね!
びっくり!

2007/02/21 (Wed) 20:42 | EDIT | REPLY |   
フレ  
ども♪

>jerryさん
おぉ~、心温まる逸話ですね。ジャケ見ると買いたくなるアルバムなのは間違いないっす(笑)。結局このヘン漁るとアートワークも追いかけるハメになりますね。

>エヴァ姉さん
こんなのばっかアタマの中で鳴ってるってのもヤだな(笑)。これ好きな人はB級好きでしょう(笑)。ジャケ…確かによくやった、って感じ。

>papini嬢
あ、騙されたクチ?わかるわかる(笑)。そこから追えないってのもよくわかる…。ファーストは別モノだから多分大丈夫。

>白熊店長さん
C級か…、そこ行くと大変だろうなぁ(笑)。国内盤は見たことないですねぇ…。当時こういうバンドってどれくらい日本に情報あったんでしょ?新作!期待のニューバンド!って言われて売ったのかな?でもなぁ…、そういう時代の空気感だけは何ともわからないんですよね。確かに深い世界です。

>エヴァ姉さん
ん?ジャケ?またエッチに見てる?

2007/02/22 (Thu) 19:56 | EDIT | REPLY |   
茶  

こんばんは~♪
ピンク・フロイドの HAVE A CIGAR でロイ・ハーパーが♪ライダグレイヴィチュレ~~エエエィ~ン♪って歌ってましたね♪
グレイヴィ・トレインも好きですよ~♪大抵のアルバムに1曲はしびれるです♪
ファーストでは THE NEW ONE がいいですね~♪展開が小組曲風ってゆうか、なかなかもったいぶっていますね(笑)。ドラマチックな組み立てと、絞り込むような歌い込みは、後のレインボー~サバス~ディオを思わせます。
セカンドは CAN ANYBODY HEAR ME ですね♪ファースト、ってゆうか THE NEW ONE の拡散した分子を、ギュギュっと凝縮して、ニヒルにした感じですな。
サードはなかったことにして(苦笑)。
ラストは、THE LAST DAY がアコギのカッティングも心地よくて、気持ちが落ち着きハイになります。
で、ジャケですが、さすがにファーストは落ち着いたインパクトというか、おもいきり惹きつけるものがありますわ!バンド名からイメージしたんだろうけれど、隠し味が凄い!どこからあんなアイデアが湧いてくるんだろう!?あんな廃駅で一日中ボ~っとしていたいものです(あきるだろうけど、笑)。さすがはヒプノさんたちです。セカンドの卵わしづかみも良いですが、サードはジャケに予算回せなかったね(笑)。ラストは、ディーンの中ではなんですが、空飛ぶ半魚人いかしてます(笑)。
アルバムに1曲印象に残る曲があれば良しとしている僕です。だから4作中3作に茶的ヒット曲があれば、かなりランクは高いです♪

2011/06/21 (Tue) 01:49 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>茶さん

うん、まぁ、B級ですな(笑)。
一曲でもヒットがあれば、ってのもよくわかります(笑)。
でもB級好きとしては通らなければいけない作品群、何せ4作もあるんだから。

2011/06/24 (Fri) 20:25 | EDIT | REPLY |   

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  •  ぐるぐるマークの・・・ボロもうけはできなかった(笑@イギリス
  • papiniが本気を出すと、それなりに数字は上がる。 それを毎日やれ、と言われると 無理だな、うん(笑 疲れるんだ。そういうの。 あ、仕事の話ね。 もう、仕事はいい。 さっさと音盤話する。 そう、今日の音盤話。 また今日もぐるぐる。 ああ、いいなぁ...
  • 2009.09.25 (Fri) 23:44 | Trapo de la eternidad