Gravy Train - Gravy Train



Gravy Trainと名乗る4人組のバンドもその一角を担っており、またその融合性のセンスはなかなかのものだと今でも語り継がれているバンドのひとつ。彼等はブルースロックというひとつのカテゴリにフルートやサックスと言った管楽器を加え、音楽的にも唐突な変拍子をノリの良いままに強引に挟み込むという、結局はそれが面白い効果と思い切りアングラな作風を生み出すこととなってひとつのバンドの方向性を打ち出したか、に見えた…のはセカンドあたりまでかな(笑)。いや、やっぱりパッと出てきたバンドが継続するとあまりロクなことにならないという典型でもあるのだが、ファースト一作で終わっていたらかなりインパクトのある無名バンドになっていただろうに、ロジャー・ディーンを起用したジャケットで有名な4枚目の作品があまりにもジャケの素晴らしさと中身のギャップが大きかったためか、リスナーをがっかりさせてしまうバンドのひとつにも数えられる(笑)。
いや、ファーストは凄く面白いんだよ。1971年リリース、ジャケットはこう見えても実はヒプノシス。言われてみるとなるほどちょっと構図がヘンでしょ。ドラムはドコスコって感じなのにフルートの音色が響き渡るのでえらく繊細に聞こえてしまう曲が多く、そこにドロドロのブルースギターが絡んでくるもんだから不思議な不思議な音になる。しかも歌もねちっこくてしゃがれた声なので泥臭さのないフルートの音色が更に浮き立つ、そんな感じ。曲はもう無理矢理変拍子っぽくしてるのとかね、あるけど基本はブルースロック、だと思う。テクはそこそこあるのでジャジーな感じがしたりするけど、3曲目あたり聴いてるとこのバンドの真髄かなっていう気がするくらいにヘヴィーなブルースだしさ。そうだね、長めの曲が多いんだけどプログレらしい起承転結っていうのではなくてアップダウンっていう感じの組み立てなので、やっぱ力技での曲展開。B面なんてそんなので2曲なんだから大したもんだ…。このバンド、間違いなく男のファンしかいなかったんじゃないかと思うような泥臭さと汗臭さが漂う英国にしては珍しい感じのバンド。その分セカンドではややアメリカスワンプ寄りになった感じもするかな。
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