Wolf Alice - Visions of a Life

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Wolf Alice - Visions of a Life (2017)
Visions of a Life

 60年代からずっと英国のロックシーンは常に革新的で先頭を走ってきている。もちろん他の国から新しいものも出てくるしいつもいつも英国が一番ってワケじゃないけど、大抵ロックシーンと語る時の中には英国は真ん中にある。今でも英国ロックシーンってのがあって、どこかかならず新しいし、聴くとやっぱり英国でしか出てこないんだろうな、ってのが多い。それがひとつふたつじゃなくて、シーンとして成り立つって所に深みがあるのだな。常に新しい事にチャレンジしている、融合させているみたいなバンドがあるってことなんだから文化とか民族的なものとも言えるのかも。ちょっとシーンを聴き漁っているとすぐにそういうシーンに出会えてしまうのだから凄い。

 Wolf Aliceの2017年二枚目のアルバム「Visions of a Life」。もうねぇ、こういうの、って英国以外からは出てこないです。実に魅惑的で斬新で意外性に富んでて素晴らしい作品。音楽的にどうのとかバンド的にどうのってのよりも、こういう革新的なのが出てくる事に賛辞を述べるってトコだ。どういうんだろうな、これ、エリー嬢をフロントにしたオルタナバンド、という括りになるのだろうけど、かっ飛んでるからなぁ…。ノイジーでもありポップでもありケイト・ブッシュでもありダンサンブルなデジタルビートでもあり、根本はパンク的なスタンスだし、トランスでもあるし一体どういうセンスしてたらこういうのが出来上がるんだ?ホント、天才としか思えない音作り。

 冒頭からそんな驚きの印象を持ちつつも、どの曲でもそういう驚きが繰り広げられてて、それでもキャッチーなポップさはもちろん持ってて歌声そのものは結構可愛らしく歌ってるし、何とも浮遊感と透明感溢れるささやき声が聴かれるのだな。ロック的な迫力があるか、ってぇとそういうんでもないんだけど、根底にそれがしっかりとあるのも分かる。一方ポップスだろ、って言ってしまえばそれまでなのかもしれない。感性的に勝手にロックを感じるだけで、普通に聴けばちょいと変わったポップス、なのかも。ん〜、でも、なんかやっぱ凄いヘン。多分天才的。心地良くそんな事に惑わされながらもアルバム一枚丸ごと簡単に聴けてしまう素晴らしさ。





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フレ
Posted byフレ

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