Vuur - In This Moment We Are Free - Cities

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Vuur - In This Moment We Are Free - Cities (2018)
In This Moment We Are Free - Cities

 面白いもので、同じ楽器編成と人数で同じ様な音でバンドやって音を出しているのに、その実全然異なるサウンドが出てくる。普通に考えてみればどうしてそうなる?みたいな話だよ。それはでも絵画でも何でもそういうモンだからプロならではの才能や技術も含めて人間の面白いトコロ。つくづく不思議ながらも当然だし、逆に全く同じ曲が出てくるワケじゃないし。ロックやポップスについては売れる売れないもあるから似てくるのはあるだろうが、それだと売れないし、複雑な要素が絡み合った芸術のひとつと捉えれば理解しやすいか。

 90年代に一世を風靡したThe GatheringのAnneke van Giersbergen姐さんの歌声とゴシックメタル、これこそが、と絶賛されたThe Gatheringのひとつの方向性がそのジャンルと時代を決定付けたとも言えるくらいだった。まぁ、リアルタイムでは全然耳にすることもなかったから決してメジャーな部類ではなかったとは思うけど、それでもメタルシーンがひとつの世界を形成した。またヨーロッパのシーンが世界に出てきたというひとつのきっかけともなるバンドだった。当然10年以上の間には色々あって、音楽の方向性も大幅に変わったりして今でも一応バンドは継続しているようだけど、Anneke van Giersbergenhaは既に脱退済み、バンド在籍中からソロアルバムをリリースしてて、さすがに紅一点のボーカリストさんはアイドル的活動も実施、曲もポップス調に挑戦したりと一応世間を一通り巡ってきたんじゃないかな。それで今またここでVuurというバンドを組んで、最初のアルバム「In This Moment We Are Free - Cities」をリリース。これがまた見事なまでに20年前に遡るかのようなゴシックメタルそのものを展開してくれている。

 やっぱりAnneke van Giersbergenの歌声は素晴らしい。これこそゴシックメタルの歌声、と言わんばかりの透明感と抜け具合、唯一無二の透き通り具合はバックがどんだけヘヴィになっても思い切り突き抜ける。そして楽曲の方も当然ながらのドラマティックなゴシックメタル感溢れる重々しいテンポで繰り広げられその上を伸びやかにAnneke van Giersbergenの歌が舞い上がる。素晴らしい。一時代を経て聴くこの美しさというかゴシック・メタルの持つ美女と野獣的な相反するスタイルが美しい。フック的にはもうちょっと、とは思うけどそれでも何度か聞きたくなる魅力を十二分に備えた作品で、さすがのAnneke van Giersbergenの素晴らしさがホントに光り輝いている作品。2019年4月に初上陸?みたい。





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フレ
Posted byフレ

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