Cressida - Asylum

そんな最初期の頃に出会った中で、B級と呼ばれる、もしくはアンダーグラウンドと呼ばれている割に、いや、全然メジャーには躍り出てこない割にもの凄い完成度と才能が感じられたアルバムがクレシダの「アサイラム」だ。ジャケット見て、その不思議なというか不気味な印象が広がったし、アクセント的に一体だけ火に包まれて倒れているってのもデザイン的だ~って思ってさ。そりゃ、もちろんキーフの作品なんだし、それだけ人を惹き付けるデザインだってことだけど。
アルバム自体は1971年、ヴァーティゴからの作品で彼等としては二作目に位置するものだ。あ、ちなみに Vertigo VO-07 はこのバンドの一作目です(笑)。で、このバンド、かなり演奏能力が高い。そして曲のセンスも凄くよろしくって、もちろん全編ハモンドが鳴り響いているんだけど、ベースがしっかりしててねぇ。それとやっぱ歌かな。独特のクールな情感を繰り広げてくれているって感じでさ、しかもその歌メロが結構なメロディラインを持っているので聴きやすいときたもんだ。二曲目の「Munich」なんてのは9分以上にも渡る作品なんだけど正に名曲って言ってもおかしくないくらいのものでさ、起伏があって英国らしい旋律で良いんだよ。音が密集したチープな感触もあると言えばあるんだけど、ギターにしてもテクニシャンだしねぇ。音楽って面白いなぁと思う。
このバンドの作品、今では感単にCDで手に入るし、いつでも真っ先に再発の対象になっているくらいだから今の時代には多分こういうのってのは十分にメジャーなバンドになってしまうのかもしれない。当時の活動云々ではなくって、メジャーなものってのはいつでも入手できる状況のもの、ってことで言えば。そうそう2in1のCDも音的にはお得だね。ただなぁ、やっぱジャケットを楽しみたいバンドだよ。
ちなみに、このバンドのドラマーはIain Clarkeです…うん、見たことある名前だったりしない?実はこの人このバンドの後にユーライア・ヒープに加入するワケで、しかもその時に参加したアルバムがあの「対自核」なワケで…。ヒープって結構そのへんのバンドと交流あるみたいで、コラシアムからもベーシストのMark Clarkeを引っ張ってくるし、他にもね、いっぱいあるわけさ。ま、このバンドもヴァーティゴからデビューしてるのでそういう人脈も多かったってことか。
- 関連記事
-
- Darryl Way's Wolf - Canis Lups
- Cressida - Asylum
- England - Garden Shed