Amy Winehouse - AMY

0 Comments
Amy Winehouse - AMY (2015)
AMY エイミー [Blu-ray]

 ショウビジネスとドラッグの繋がりってのはどこの国もあるものらしいし、いつの時代でもその関係性は変わらずにある。一般人からするとそんなのどうやったら手に入るんだ?とか簡単に買えるモンなのか?など思うけど、蛇の道は蛇ってなものだろうから、きっと簡単なんだろう。ただ、安くはないんじゃないかなぁ…。自分なんかはそもそも子供の頃から薬を飲むって事自体が好きじゃないし、注射もダメだから簡単には手を出せないかな…、そういう環境下にならないとわからないけど。皆手を出したくてやってるんじゃなくてそこしか逃げ道無いから行ってるだけなのかもしれないけどね。そんな事も考えてしまった映画作品。

 Amy Winehouseのドキュメンタリーだから厳密には彼女の作品ではなくって彼女を描いた作品「AMY」、2016年リリースのそんな時代にまだこんなドロドロのドラッグまみれな人生を歩める環境が凄いとすら思った映画。21世紀、つい最近の話なのに、60年代と全く同じ酒とドラッグとオトコに人生を棒に振らされたオンナの話。時代は変わってもヒトは変わらないという象徴なのかもね。表舞台からは全く見えない人生劇が彼女の中では起きていて、その裏側のプライベートなフィルムなんかを持ち出してきて構成されているから、こんな風に生きてたのか…と驚愕的に見ていた。こりゃ死ぬわ、ってのも普通に思ったし、酒やドラッグに溺れるのも当然だろうな、とも。同じ27クラブの連中もきっと同じだったんだろうなと。言い換えればやっぱり天才の繊細さはショウビジネスに食い尽くされるっていう話か。

 しかし、エイミー・ワインハウスの才能の豊かさは初めから素晴らしかったってのも分かって、意外なことにギター一本で曲を作って奏でて歌って、っていう所からスタートしている。んで、もちろん10代後半の頃からの映像でもギター弾いて歌ってるのとかあるんだけど、押さえてるコードが当然だけどジャズコードでさ、そんなの駆使してあの声で歌ってるワケ。そりゃそんなの眼の前で見せられたらどんだけの才能だ?って皆が皆思うよ。んであの声でしょ?本人も音楽だけ出来てたら楽しかったろうけど、やっぱりそこはオトコと有名になるっていう生活環境に翻弄されて…、一山超えて復活の兆しも見えたんだけどやっぱりちょっとした事からダダ崩れ。ライブで歌うってことすらを放棄してしまう、ってそもそもの唯一の自分を放棄してしまうって事で、やっぱり精神的なモノが大きかったろう。

 見ていて辛い映画。決して酒とドラッグとロックみたいなのが格好良いなんて話じゃない。天才が20代からそんな環境になったらこうなる、って話。日本はその意味では才能をきちんと発揮させて環境も整えて、余計なお世話まですらするという状況があるように思う。もっとも事務所によるだろうけど。



関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply