The Aynsley Dunber Retaliation - Doctor Dunbar's Prescription


どんどんとディープな世界に…と言いつつもアルバムに参加している面子は割とメジャーな人だったりするのも英国ロックの深い世界の特徴。古くから知ってる人はあの人がこんなバンドで、と思う場合もあるだろうし、それぞれのバンドの活躍を知ってる人は、こんなバンドにも参加していたのかと思うものもあるだろう。そういう渡り鳥的なミュージシャンもいて、こないだのレイ・ラッセルもそれに近いけど、そういう輩は大体どこかの時点で自分のリーダー作品を作っているのが常だ。こういう感覚はジャズを聴き親しんできた人には当たり前の感覚で、リーダー作品というアルバムの作り方ってそういうもんだろ、と思う。
そんな中、実に、本当に数多くの著名バンドを渡り歩く強者ドラマーにエインズレー・ダンバーと言う人がいる。そりゃアンタ、コージー・パウエルの世渡りどころじゃないくらいに渡り歩いている人なので、この人についてのセッション活動を知りたい人は是非オフィシャルサイトのディスコグラフィーを見てもらいたい。更にその仕事を視覚的に感動したい人は参加アルバムジャケット一覧を見てもらうと良いかもしれん。もう~凄いんだから。
古くはジョン・メイオールの作品でミック・テイラーが参加したものから初期ベック、更にザッパと一緒にやっていたもの、このヘンが有名なんだろう。ルー・リード、ボウイ、ジャーニー、ジェファーソン系、モット系、更にはホワイトスネイクやUFO、マイケル・シェンカーなどなどとんでもなく無節操な仕事ぶり。しかしどれを取ってみてもドラミングが「重い」というキーワードで、その重さがないと成り立たなかったアルバムばかりに見えてしまう。
そんなエインズレー・ダンバーがリーダー作品として作ったバンドがエインズレー・ダンバー・リタリエーションというバンドで、その中でも最も重いブルースを奏でている作品が「Doctor Dunbar's Prescription」というアルバム。ジャケットのサイケデリックさ加減もどこか英国の重みを感じるものだし、何と言っても歌だよ、これ。重い。正当派ブルースもあるけどそれも正に時代を反映した楽曲だし、やっぱり多様な音がミックスされている曲も多い。う~ん、英国ロックとしか言えないトコロかなぁ。ちなみに先日歌声を披露していたアンネット・ブロンクス嬢のダンナさんのヴィクター氏が参加しているバンドです。
1968年にリバティレーベルからリリースされたアルバムで、昔レコード発見した時は結構な値段したアルバムだった。それも当然今ではアマゾンでCDで買えるんだから良い時代だ。彼のミュージシャン人生の中で一番充実していた時期の作品じゃないかな。不器用っぽくてこの人のドラム凄く良い。このままやってればもうちょっとバンドとして成功したかもしれないとも思ったりするね。
- 関連記事
-
- Maggie Bell - Live At The Rainbow 1974
- The Aynsley Dunber Retaliation - Doctor Dunbar's Prescription
- Groundhogs - Thanks Christ For The Bomb