Howlin' Wolf - Message To The Young

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Howlin' Wolf - Message To The Young (1971)
MESSAGE TO THE YOUNG

 暑い夏を暑くならないように過ごすために爽やかなものを聴いていこうと意識した夏になったのだが、そこからの発見は実に多くのものが得られた気がする。こういう無謀な取り組みをしてみると自分が知らない世界を改めて知ることも出来るし、これまでの知識から更に発見できることもあるし、とどのつまりがロックに戻ってくる時により一層の深みを持って聴けるってことかもしれない。まだそこまで辿り着いてないけど。結局は楽器を演奏して何人かでバンド形態で音楽を奏でるという事になればジャズでもフュージョンでもブルースでもロックでも同じ構図なワケで、似たような楽器編成だし、それぞれが影響を受け合いながら切磋琢磨して更に新しい領域へチャレンジしていくってのは同じなんだし、って考えるとね、どれもこれもクロスオーヴァーしてくるんですね。

 Howlin' Wolfの1971年の問題作「Message To The Young」。前作「The Howlin' Wolf Album」の方が問題作なのだが、このアルバムもその延長で、ブルースメンという枠組みのハウリン・ウルフからしたらホント異色作だし、何でこんなの作ってるんだ?ってくらいな代物だけど、ロックへの接近、ファンキーなアルバム作り、新たな領域へのチャレンジという面からすればこんなのも出来ちゃうんだ、っていう凄さもある。大体があの図太い割れたような声質で普通の音楽が出来るワケないのだが、そこがロックとかブルースの深いところで、難なく受け入れられてしまう懐があるワケだ。だからハウリン・ウルフがあの声で少々違うことをやったって作品として面白いものとして仕上がるってのはある意味当然だったのかもしれない。だからここで聴けるハウリン・ウルフの作品ってのはブルースに根ざしたってのをあまり意識する必要はないかも。もちろんギタープレイやら何やらってのはあのまんまだからブルースなんだけど、そういうリズムの曲が少なく、ロック寄りの作風ばかりだからちょいと違って聞こえてくるって話。

 それにしてもカッコよいアルバムだ。重いロックなんだよ、これもまた。決して軽くなることのないブルースメン達の歌とギターなんだけど、バンドにしてもやっぱり重い音出すし、迫力のある、パワフルなサウンドが出てくるってのはやっぱりライブで鍛えられているからなんだろうか、これぞロック、と言わんばかりの音。かと言って白人が奏でるブルース・ロックとは全く毛色が異なるので、黒人が奏でるロックブルースという代物になるのだろうか、ユニークな作品が出来上がったものだ。やはりもっともっとこういう奥深い作品をじっくりと聴いていくべきですね。







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フレ
Posted byフレ

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