Groundhogs - Thanks Christ For The Bomb
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英国内では人気を誇りながらも世界レベルになるとトンと人気のないバンドが英国には結構存在する。The Whoはアメリカには力入れてたけど日本は論外だったためストーンズやビートルズに比べて日本での扱いは低かった。Status Quoも英国ではとんでもない人気を誇っていた事があるにもかかわらず、それ以外の国に行くと割と普通のバンド以下の扱いだったりする。まぁ、別に世界レベルを意識していたワケでもないだろうからそれで当たり前、バンドが外に出ようとしなければ外では売れないワケで、当然の帰結ではあるが…。
同じように日本では、またアメリカでも多分そうだと思うが、B級的扱いをされながらも実は英国内に於いてはかなりメジャーなバンドと云うのがグラウンドホッグス。トニー・マクフィーというギタリストが有名らしいが、その風貌を見ると何で?って思う。いや、ま、それは良いが…、何でもジョン・リー・フッカーが渡英した時にその前座をトニー・マクフィーのバンドが引き受けた事で、それくらい直系のブルースができる人だという証明になったとかならないとか…。そんな事で当然バンドの方も時代に合わせたブルースをルーツとしたロックで、モロにクリームと被る時代を過ごしたおかげで全く存在感が無かったように見えてしまった。しかもやってる事もかなり似たような手法だったので、余計に、だ。こちらはギターがひたすら引っ張るというオーソドックスなものではあったが。そう、このグラウンドホッグスもトリオ編成のバンドで最も完成度の高いアルバムは恐らく「Who Will Save the World?」という彼等の5作目だと云われているし実際に完成度がかなり高いものだと思う。…が、今回はやはり1970年という年にこだわりたかったので彼等の出世作となったと云われている「Thank Christ for the Bomb」をオススメしていこう。
まず、基本的にストラトを中心に弾くトリオバンドのため、音は軽くて細い。そして歌はブルージーではあるが、これもやはり軽い。アルバム全体的にエコーを強めにかけている事もあって何となく軽い透明感が漂うけど、テーマ的には「神様、バクダンをありがとう」という反戦的なテーマを歌っているようだ。この頃の英国民からするとトニー・マクフィーがこのようなテーマを扱う事自体が驚きだったらしい。よく分からんが。まぁ、重くて暗くて激しいサウンドかと思ったら全くそんな事無く、軽くて割と落ち着いた感じのあるサウンドだった。でもテーマ的には重いのかな。それはともかくギター的には…、いやぁ、凄いね。よく弾いてる。ホントに弾きまくりというくらいに弾いていて、軽いブギーが多いから弾きやすいんだろう。ブルースだけにこだわらない幅の広さでギター弾いてる部分もあって、やっぱ上手いなぁと。基本的にハードロック要素にブルーステイストだけど、タイトル曲はアコギ一本で歌い上げている。これが一番印象的かもしれない。
このバンド1968年デビューだが、今でもトニー・マクフィーの生涯バンドとして活動しているようだ。もっともアルバムはたまに出るくらいだけど、それでもいくつかあるもんな。新作も出てるし。日本に誰か呼んだら凄いよなぁ。その他1973年に発表した初のソロアルバム「Two Sides of Tony (T.S.) McPhee」もアコースティックとハードロックを使い分けた作品になっていて佳作と呼ばれることが多い。しかしこの顔で売れる?う~ん…。
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