Stuff - Stuff

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Stuff - Stuff (1976)
スタッフ!!<FUSION 1000>

 譜面が読めて音楽理論を熟知して、しかも音感やリズム感もしっかりしていて当然楽器も上手く演奏できるテクニックを持っていて初めてミュージシャンと言える、そういう当然の要素を持っているのがジャズやソウル、R&Bの世界、もちろんフュージョンもそうだろうけど、そういうのを無視したもの、即ち初期衝動だけでなんとな成り立ってしまうのがロック。メタルなんかは上述のミュージシャン的な要素が無いと出来ないのでもうちょっと上位に位置するのだろうけど、パンクなんてのはもちろん一番下の方のラインに位置しているのだろうと思う。もちろんその中でも天才的なミュージシャンもいるんだろうけど、多くはそうでもなくって、ってのが多いのがロック。だからロックってのは子供騙しなんだ、と言われるもので歴史に残るような音楽には値しない、というのもある。今はそうでもなくって単に好きな人が多いから歴史に残っていくのもあるんだろうけど。あ、もちろん全部がそういう話じゃないですが。

 Stuffの1976年のデビューアルバム「Stuff」。アメリカのセッション・ミュージシャンで名を馳せることになる面々が参加しており、と言うかそういうメンツで結成したバンドなのでテクニックは申し分ないしやってる音楽も高尚な世界感でのアドリブやぶつかり合いでもあるが、激しいぶつかり合いではなくアンサンブルが整った中での応酬、だからアルバムの密度が濃いものに仕上がっていて、音色も含めて独特の音世界が出来上がっている。いやいや、凄いグルーブ感にメロウでフワフワな鍵盤、ギターも甘い香りでのメロディを鳴らしてくれるし、ドラムは要所要所のキメが凄い。やっぱりスティーブ・ガッドの凄さがヒシヒシと滲み出てくる。リチャード・ティーの鍵盤の躍動感も見事で、こういう世界があるってのを初めて知った。

 ジャズやフュージョンという世界での括りではないような気がするんだよな。R&Bやソウル、ファンクの流れの中でのインストバンドという感じで、これをフュージョンと呼ぶには少々熱すぎるのでは?なんて気がする。爽やかに流れていかないんだよ。暑い夏に聞くとより一層熱くなる感じもするし、暑苦しい、とも言うか、そんな音。だから割と好みな感触感はある。実にエモーショナルなんだよね。






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フレ
Posted byフレ

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