Chick Corea - Return To Forever
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Chick Corea - Return To Forever (1972)

爽やかフュージョンを聴いて夏の暑さから少しでも開放されようという意図だったにも関わらず、やはり、と言うか自分の趣味嗜好の性と言うか、どんどんと演奏そのものが重し奥なってきてしまって、しかもこれまでほとんど聴いたことないジャンルとバンドも数多くあるし、最初は80年代のを…と思ってたんだけど、やっぱり70年代に引き摺り込まれていって、もっともっとテンションの高い演奏力をぶつけ合う的な世界へと行ってしまった。そのヘンになるとフュージョンって言葉もあるかないか、ジャズの発展形とロックからの影響、そこに民族風味もあったりファンク、ソウルの世界からの影響なんかも見事にクロスオーバーな世界観があって、テクニックのあるロック的思想、みたいな部分あるから白熱してるんだよ。そんな時にシーンに切り込んできたのがこのアルバム。
ご存知Chick Coreaの「Return To Forever」、1972年リリース作品でこのアルバムジャケットの快活さは一度見たら記憶に残る写真で、俗に言うかもめジャケットってやつだが、実際かもめってよりもカツオドリとかそっちのもっと海鳥系な感じだよなぁと。日本で見られるかもめってこんなのほとんど無いし、海の上でしか見られないような黒いかもめ系だしね。ま、そのヘンは良いんだが、美しい海が写る情景、そんなイメージからアルバムに針を落とすとこれがまたとんでもなく白熱したインタープレイの応酬が繰り広げられていて、自分的には正にフリージャズの音色、としているエレクトリックオルガンが存分に活躍している。やはりECM的な音、正に代表的な音、ジャズから発展したフリージャズをもうちょっと形にしてギリギリのアンサンブルを保っているという緊迫感溢れる世界観。それでもこのジャケットのような爽快さはあるワケで、フリージャズのドロドロなイメージからはかけ離れている。そこが面白い。まだジャズから流れてきたリスナーが普通に聴ける範囲のトコロでやってて、何か違うけど心地良いな、という線であっちの世界を見せようとしているのかな、そこから先はかなり危険な世界なんだが…、と。
決して明るく快活じゃないのに名盤扱いされてて、実際名盤だが、アメリカ人のジャズでこういう作風が出てきたってのも音楽の探求のきっかけなのだろう、やはりマイルス門下生達の才能の豊富さは素晴らしい。テクニックだけでなく音楽的なセンスとひらめきをきちんと持っているし、それを開花させてきたマイルスの扱い方もなかなか真似できないだろう。マイルスがジユにやらせてくれたからこういう世界への到達が見えたというのもあるだろうし、時代に敏感なセンスもあっただろう。歌が入ってるボサノバ曲が心をなごませてくれたりするし、緊迫感のある演奏がセンスを磨いてくれたりもする。決して皆が皆素晴らしいというアルバムじゃないだろうけど、聴いてみたら美しい、って言う作品。

爽やかフュージョンを聴いて夏の暑さから少しでも開放されようという意図だったにも関わらず、やはり、と言うか自分の趣味嗜好の性と言うか、どんどんと演奏そのものが重し奥なってきてしまって、しかもこれまでほとんど聴いたことないジャンルとバンドも数多くあるし、最初は80年代のを…と思ってたんだけど、やっぱり70年代に引き摺り込まれていって、もっともっとテンションの高い演奏力をぶつけ合う的な世界へと行ってしまった。そのヘンになるとフュージョンって言葉もあるかないか、ジャズの発展形とロックからの影響、そこに民族風味もあったりファンク、ソウルの世界からの影響なんかも見事にクロスオーバーな世界観があって、テクニックのあるロック的思想、みたいな部分あるから白熱してるんだよ。そんな時にシーンに切り込んできたのがこのアルバム。
ご存知Chick Coreaの「Return To Forever」、1972年リリース作品でこのアルバムジャケットの快活さは一度見たら記憶に残る写真で、俗に言うかもめジャケットってやつだが、実際かもめってよりもカツオドリとかそっちのもっと海鳥系な感じだよなぁと。日本で見られるかもめってこんなのほとんど無いし、海の上でしか見られないような黒いかもめ系だしね。ま、そのヘンは良いんだが、美しい海が写る情景、そんなイメージからアルバムに針を落とすとこれがまたとんでもなく白熱したインタープレイの応酬が繰り広げられていて、自分的には正にフリージャズの音色、としているエレクトリックオルガンが存分に活躍している。やはりECM的な音、正に代表的な音、ジャズから発展したフリージャズをもうちょっと形にしてギリギリのアンサンブルを保っているという緊迫感溢れる世界観。それでもこのジャケットのような爽快さはあるワケで、フリージャズのドロドロなイメージからはかけ離れている。そこが面白い。まだジャズから流れてきたリスナーが普通に聴ける範囲のトコロでやってて、何か違うけど心地良いな、という線であっちの世界を見せようとしているのかな、そこから先はかなり危険な世界なんだが…、と。
決して明るく快活じゃないのに名盤扱いされてて、実際名盤だが、アメリカ人のジャズでこういう作風が出てきたってのも音楽の探求のきっかけなのだろう、やはりマイルス門下生達の才能の豊富さは素晴らしい。テクニックだけでなく音楽的なセンスとひらめきをきちんと持っているし、それを開花させてきたマイルスの扱い方もなかなか真似できないだろう。マイルスがジユにやらせてくれたからこういう世界への到達が見えたというのもあるだろうし、時代に敏感なセンスもあっただろう。歌が入ってるボサノバ曲が心をなごませてくれたりするし、緊迫感のある演奏がセンスを磨いてくれたりもする。決して皆が皆素晴らしいというアルバムじゃないだろうけど、聴いてみたら美しい、って言う作品。
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