Lee Ritenour - Gentle Thoughts

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Lee Ritenour - Gentle Thoughts (1977)
ジェントル・ソウツ

 中学生くらいの頃からちゃんとロックに興味を持って、すぐにギターに興味を持って弾けないし買えないくせにレコード屋楽器屋にしょっちゅう行っててヤマハやアリアプロのギターパンフレットをしこたま仕入れてきてあれやこれやそれは何が違うんだとかそこに出ていたアーティストの写真を見ながらこの人はどんなバンドでどういう音を出してる人なんだろう?とか知らない名前を前に密やかに格闘していて、一方では何かしらの少ない情報の中からどういう基準だったのか自分が好きそうだと思ったバンドやギタリストの曲やアルバムを探していたりして忙しい日々だった(笑)。昔はヤマハってそういう意味で凄かったんだよ。満遍なく網羅していたというかどこにも偏っていなかったと言うか、イベント主催もかなりやってたからど真ん中の会社だったんだろうと思う。

 Lee Ritenourの1977年リリース「Gentle Thoughts」という作品、当時も有名になっていたらしいがダイレクトカッティング盤ってことで要するに一発録りそのままでテープを介さずしてレコードの金型を作るという手法で制作されたらしい。制作ってか同時にテープ録音もしていたから今ではそこからのCDプレスやデジタルデータになっているんだけど、金型ってひとつ3万枚程度しかプレス出来ないからそれ以上売れるとなると最初から複製した金型作っとくか、テープからまた金型作るか、なんだけど、リー・リトナーのおかしいトコロはそれを予測してもうひとつのダイレクトカッティング金型を作っていたってことだ。うん、だから演奏の異なる同じアルバムを隠し持っていたってこと。んで、リリースしたらそりゃ売れてしまったからある時からセカンドプレスがリリース、即ち別演奏の同名アルバムが市場に出てきたってことで、結局好きな人はどっちも買わないといけないからいつまでも売れ続ける作品になるワケだ(笑)。いや、そんなことないけど、どうやらテイク3バージョンまであるとか無いとか…。そんな面白い話題が先行してしまったんだが、その甲斐あってものすごく緊張感の高いライブそのまんま、もしくはライブ以上のテンションの高い白熱した演奏が聴けるんで、名盤扱い。そりゃそうだ。

 こんなんを一発録りでしかもレコードまで作るなんてプロだって腰引けると思う。それもこんなテンションと難曲ばかりでソロもあるしユニゾンもバリバリにある。アドリブ要素は多いけどしっかり譜面化されていたんだろうね、恐ろしく緊張感の高い、それでいて音楽的レベルも高くてロックだフュージョンだなんてのを気にすることなく、ジェフ・ベックの作品だもん、っても聴けちゃうくらいのミュージシャンには確実に好かれる傑作が聴ける。もっとリラックスして聞こうかと思ってたらとんでもない演奏が続くんですっかりハマってしまったアルバム。リー・リトナーって洗練されたギターを弾く人というイメージはそのままだけど、やっぱりこの手の人は上手いし盛り上げるしきちんと感情移入も出来るし、凄いなぁと。子供騙しのロックの世界とは大きく違うわ、なんて聴いてたりする。しかしどこを切り取っても格好良い曲と演奏ばかりで痺れる。





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フレ
Posted byフレ

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