Ray Davies - Our Country : Americana

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Ray Davies - Our Country : Americana (2018)
OUR COUNTRY: AMERICANA

 先日ジェームズ・コーデンのCarpool Karaokeにポール・マッカートニーが出てて、これがまた実に素晴らしい愛に溢れた番組に仕上がってて、その演出やポールの姿勢に感動したのだが、皆さんやっぱり人生の総決算に入っているんだろうなという印象もあった。ビートルズ縁の地を振り返る、とかパブで突然ギグやって地元で楽しんだり、そりゃそうだよな、もう70歳半ば頃だろうし、いつ訃報が入ってもおかしくないんだし、と思ってたけど、番組見てたら何かね、こんだけ人を感動させる人って数える程もいないんじゃないかと。好き嫌いは別として人間国宝なのは確かだ。

 The Kinksのリーダーでビートルズと同じ時期に活動していて、今なおソロアルバムの新作までリリースしているというレイ・デイヴィスは自分的にはポール・マッカートニーを超えるレベルの天才だと思ってる。ソングライティングや市の作り方や彼の見る世間へのものの見方なんかも含めて世界的に数少ない天才音楽家だろ思う。まぁ、個人的にそう思っているというだけなので異論はあろうが…。そのRay Daviesが放った新作「Our Country : Americana」。前回の「Americana」の続編ってか、一緒に出来上がっていたんじゃないかなぁ‥、そもそもが自身がアメリカに来てからの回想録を書いてて、その自分でのサウンドトラックアルバムというものなんだが、その発想が凄くね?70歳半ばでその発想力想像力だよ?回想録を書く、までは分かるとしても、その回想録に沿ってアルバム2枚作っちゃうんだよ。しかもそれはやっぱりアメリカというフィルターを通したサウンドに仕上げていながらもしっかりとレイ・デイヴィス節のシニカルなものでメロディラインも相変わらずのレイ・デイヴィス節。そこに「Oklahma USA」なんて昔の曲もしれっと入れておいて古くからのファンを惹き付けちゃう。んで、聴いてみればそれはまったく別のアレンジが施された楽曲に仕上がってて、今夏のアルバムのトーンにマッチさせているという不思議。どこまで行っても天才的なレイ・デイヴィスのマジックにどんどんハマッていく。

 アルバムとして聴いてしまえば、ずいぶんと軽やかで多分レイ・デイヴィスならギター一本でこんだけ作って出来ちゃうだろうなっていうくらいには軽い感じで仕上がっているけど、出てくるメロディが好きだからねぇ。アレンジはアメリカ的にしてるのと、面白いのはこの人昔からそうだけどモノローグってのか?曲中、曲間で語りが入ってアルバムを演劇仕立てにして物語を紡いでいくというスタイル。「ストーリーテラー」で日本に来ていた頃もだし、その前の「Preservation」の頃なんかも同じような事やってたからそもそも演劇的なの好きなんだろうけどね、それがそのまま今でもやっていて実に個性的だったりするから面白い。この回想録って日本語版出てないだろうなぁ…。デジタル本だったらページ単位でGoogleさんに訳してもらおうか(笑)。うん、全曲聴いてみるとね、いつしかキンクスの昔の世界観とオーヴァーラップしてきて、中盤くらいまで行くとかなりどっぷりと味わえてしまって楽しい。この楽しさは多分相当ヘンな人ならではの楽しみ。いや、やっぱこの人、好きだ。天才。レイ・デイヴィスだからね、物語あっての音楽、これはあそこの話を演奏しているんだな、とか情景を思い浮かべてのサントラだからホントにそうやって聴いたらもっと楽しいんだろうよ。いや〜、面白いわ、これ。さすがレイ・デイヴィス。

 そういえばまたキンクスやる、みたいな発言を最近してたみたいで、それも多分総決算なんだろし、見たいかと言われるといもうどっちでも良いやって気がするが、レイ・デイヴィスが現役で頑張ってるの見てると多分カッコよく見えちゃうんだろうなぁとか色々…。





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フレ
Posted byフレ

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