Joey Ramone - Don't Worry About Me

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Joey Ramone - Don't Worry About Me (2002)
Don't Worry About Me

 それなりのバンドのリーダーがソロアルバムをリリースするってのはなんでまたそれが必要なんだろ?とも思ったりしたけど大人の事情なのか、単にメンバーへの不信感なのか、バンドっていう単位が平等すぎて自身の音楽性だけではメンバーを纏められないというのか、そりゃましょうがないんだろうな、とも思うようにはなってきた。長くやってりゃ、そりゃ自分のやってみたい音楽の指向性とメンバーとの間のギャップも生じるだろうとは思う。んで、そのソロアルバムなりをリリースするのだが、それを聴いても大抵はバンドでやってる音と大差なかったりして、なんでバンドでやんないんだろ?みたいにも思う。本人が思ってるほどバンドの音と自分のやりたい音との差がないんじゃないだろうか、なんて思ってしまう。

 ラモーンズのフロントで活躍していたJoey Ramoneはラモーンズ活動休止後にソロアルバムをリリースする予定で足掛け3年くらいかけて「Don't Worry About Me」というアルバムをレコーディングをしていたようで、結果的にはジョーイが亡くなってからのリリースという遺作になってしまったが、しっかりとリリースに向けて作られていたアルバムなので普通の作品として聴ける。んでまたこれが結構な名盤に聞こえてくるから面白い。何らラモーンズの時とやってる事変わらないし歌も変わらないし、何か違うのか?メンバーが違うくらい?それでもラモーンズのメンバーも参加しているし、っていう程度だが、バンドが活動休止になってしまっているので、こうなっているのだろう。サッチモのR&Rカバーから始まる見事なR&Rサウンドのオンパレードで正にラモーンズの世界観。キャッチーでメロディ感溢れる音の洪水にイギーの「1969」なんかもカバーしている怒涛の37分、このコンパクトさも聞きやすくて良い。いつのどのアルバムを聴いても裏切られることのないラモーンズのアルバム郡の中に入れても何ら違和感を持つことのない出来映えの作品、素晴らしい。

 この人のメロディ感覚ってユニークだよなぁと思う。サーフィンロックの流れなんだろうけど、それがこういうビートに乗って出てくることも面白いし、そもそものメロディセンスも抜群で、多分独特のセンス。他にあまり聴くこと無いメロディ感で、どっかのポップシンガーが歌ったら売れちゃうんだろうなってくらいにはキャッチーだし、そこが魅力的なんだが、このアルバムでも存分にそのセンスが発揮されている。だからやっぱり良いアルバムなんだよね。それと録音が新しいから聴きやすいしさ、あまり目にする作品じゃないけど、こういうのあるよってなことで聴いておいてほしいアルバムです。


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フレ
Posted byフレ

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