Roger Daltrey - As Long As I Have You

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Roger Daltrey - As Long As I Have You (2018)
AS LONG AS I HAVE YOU

 ネームバリューのある人の作品が新しくリリースされるってのは気にはなるけど、やっぱりたいていそういうのはジジイどころかもう終わってるだろって人が多いんで無邪気に喜ぶワケでもない。その中でもバリバリの現役感を持ったアルバム、新作をリリースしてくる人もいれば、今の自分はこういうもんだ、っていう作品をリリースしてくる人もいる。そりゃ商売だしアーティストだから色々な表現があるのは当然だ。リスナー的にはそれも踏まえて聴くのは聴くんだろうね。んで、ああだこうだと思うワケだが、その作品がどういう風に評価されていくのかはもっと跡にならないと分からないかも。リリース当時、という話で言うならばそりゃ過去の栄光が大きければ大きいほどその差は大きいに決まってる。まだそこまでの回数をすべての人が聴けてないんだから。

 ご存知The Whoのフロントマン、Roger Daltreyが2018年にリリースした快心の作品「As Long As I Have You」。いや、快心のって書いたのはですね、冒頭の、そしてアルバムタイトルにもなっている「As Long As I Have You」って曲がさ、もうとんでもなくぶっ飛んでてこの親父、いやジジイ、スゲェ!って思ってしまったからですね。アルバム全体として古き良き音楽をカバーしているので、曲そのものの良さは50年代からずっと評価されてきているものだけど、それでもそんな楽曲群を取り上げて歌っているところで再度命を吹き込んでいると言うのか、アレンジにしても歌にしても見事に蘇っているし、実にパワフルに仕上がってる。されに言えば自身の独自の音楽性なんてのは基本的には持っていないロジャー・ダルトリーだと思っていたんだけど、それがしっかりとロジャー・ダルトリー節になってるという意外な個性。もっともそれはThe Who的、とも言う話になるのでそれがロジャー・ダルトリーの音楽性なのか、ってのはちょいと違うのだろうが、少なくともリスナーが一番聞き慣れているロジャー・ダルトリーのスタイルそのままのアレンジに仕上げている。だからはっきり言って名盤です。そりゃだって古き良きポップス…というかR&Bっつうかその手のはもう曲として折り紙付きだし、それをロジャー・ダルトリーが歌ってるんだもん。アレンジはThe Who的だし。

 んでさ、その「As Long As I Have You」ってLed Zeppelinが最初期のライブで毎回取り上げていた曲でね、それで良く聴いて知ってたから、ここでロジャー・ダルトリーが冒頭に持ってきて歌うって、どういうアレンジなんだろ、って興味津々だったんです。ところがこれがまた当然Zeppelinとは異なるアプローチとゴージャスなアレンジでしっかりと仕上げていて、新たに感動したんです。それが冒頭だから以降の曲も当然原曲知ってるワケじゃないけど、安心してロジャー・ダルトリーの、そしてThe WHoをイメージしながら聞けちゃうワケ。それでも何ら違和感なく、どこが70歳過ぎたジジイの歌なんだ?完全に現役のシンガーの迫力ある熱唱形ボーカリストの作品に仕上がっているじゃないかと。やっぱり侮ってはいけない、このヘンのジジイは。拍手喝采の名作です。






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フレ
Posted byフレ

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