June Tabor - Ashes and Diamonds

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June Tabor - Ashes and Diamonds (1977)
Ashes and Diamonds

 1977年ってパンクロックが出てきたのとディスコブームもこの頃からで、少年たちが野球やキャンディーズに夢中になっていた時代、高度経済成長期がまだまだ続いていた頃だしマクドナルドが上陸した、、みたいなのがまだこないだ的な頃で日本の未来ってまだ希望に満ちていた頃。そんな時代に英国でこんだけフォークのアルバムとかリリースされていたってのはやっぱり根強い土着音楽のひとつなんだろう。若くて綺麗な女性でも普通にその世界にいるんだから日本の若手の新人女性演歌歌手、みたいなもの好きと同類なのかもしれない。最近はそういうのからジャンルをはみ出て出て来る方が多いから新たな領域へのチャレンジという楽しみ方もあるのだろうが。

 June Taborの1977年セカンド・アルバム「Ashes and Diamonds」。1976年にスティーライ・スパンのマディ・プライアに見出されてデュエット作品「Silly Sisters」で初めてシーンに出てきて見事な歌を聞かせてくれた事から彼女のプロキャリアは始まったようで、同年には既に自身のソロアルバムが制作されてファーストアルバム「Airs and Graces」が出されている。そういう見方したら何かの宣伝効果もあったのかと疑うが、それはともかく、この年に二枚のアルバムを制作して出てきたってことだ。その翌年にリリースされたセカンドアルバム「Ashes and Diamonds」は今度は何とニック・ジョーンズを数曲でゲストに迎えて強烈なインパクトを与えてくれる作品になってて、一気にトラッドシーンに登場した歌姫という風に見られたのかも。それともごく普通に馴染んできたのかもしれない。勝手な見方ではあるけど、アルバムジャケットなどで見られるジューン・テイバーは結構クールそうには見えるし、歌声も冷たい感あるからそういう怖さがあるようには見えるんだよね。

 それはともかく、このアルバム、スタンダードにフォークから始まってニック・ジョーンズのフィドルが強烈に印象に残る作品から始まっているからアルバム的には掴みがある。ニック・ジョーンズが参加していない曲ではきちんとジューン・テイバーの歌声にフォーカスした作風にもなっているし、その意味では可もなく不可もなくと言った作品なのだが、やっぱりニック・ジョーンズのインパクトが大きい。彼女自身にはまだこの頃にこうしていく、みたいな意思があったようには思えないし、素朴に歌っているだけ、とも思える。もちろんそれでもやや哀愁漂う冷たさを持つ歌声は魅力的ではあるが、あと一捻り、みたいなとこか。




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フレ
Posted byフレ

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