Pink Floyd - 1969 Dramatis/ation : The Man And The Journey

Pink Floyd - 1969 Dramatis/ation : The Man And The Journey
1969 Dramatis/ation

 ライブを実験の場、と考えるか完成した楽曲の発表の場、と考えるかでそのバンドのライブに対する取り組みは大きく異る。前者は自分たちのためにライブを行い数々のチャレンジを行うことで見えてくるべきものを見据えていくというものだから観客側は恐らくその場では圧倒されるだけで、到底理解するなんてことはあまり多くなかったんだろうと思われる。後者は当然ながら皆で楽しもう的にリスナーが知っている曲を披露するだけなので、観客側もさほど混乱を強いられる事はないだろう。ただ、それでもアレンジが著しく変化しているなんていうパターンもあるが、それは恐らく実験精神がある状況での既存の曲のプレイとなるのだ。さて、常に実験的な野心を持ちながらライブ活動をひたすら続けていたバンドといえばフロイドかクリムゾンか、みたいなもんだが、両者ともその実験精神から産まれたものは大きい。

 Pink Floydの「The Man & The Journey」はライブという実験の場でしか組曲として構成されておらず、オフィシャル盤をどんだけひたすらに集めてもその実態は掴めなかっただろう。アングラ音源で始めてその実態が判明するというものだ。以前はそれこそがフロイドマニアの楽しみでもあったのだが、今じゃ驚くことにその未完成組曲がオフィシャルでリリースされている。「1969 Dramatis/ation」のDisc 2にアムステルダムのライブの「The Man And The Journey」ライブそのものが丸ごと収録されているおかげでこれまでアングラ音源でしか出回っていなかったものが浮上した。もっとも、それでも相当のピンク・フロイド好きな人しかこんなセットのバラ売りアイテムなんて購入しないような気がするんで、やっぱり一般的じゃないんだろうな。ただ、聴くきっかけにはなるだろうし、時代的には1969年のライブってことで明らかにまだまだサイケデリックな実験音楽をやっている時代のフロイドのサウンドなんだから後の完成されたコンセプトアルバムほどではなく、「Echoes」的な解釈での組曲だろうことは想像に難くなかろう、事実概ねホワ〜ンとしたサイケサウンドのようなものだから。

 それでもほとんどの楽曲は「More」や「Ummagumma」、「Relics」あたりにきちんと収録されたりしているので単曲としては知られているだろう。既存曲もこの組曲に入れ込んだってこともあって大成しなかったのだろうか。それよりも多分、コンセプトは面白いんだけどどこをどう聞いたら良いのか、ポップさが見当たらなかった要素もあるかもしれない。またはこの実験をしている時に「More」への楽曲提供の時期が迫りやむなくここからリリースしていった、とか…。諸説あるんだろうけど、こうしてまとめて現時点で聴けるようになったのは面白い。そしてこのライブを聴いていると確かにふたつの大きな物語が展開されている様相も実感できることだろう。アングラソースがなけりゃこんなのも知らないまま、もしくは聴ける音源なしに推測だけしていたものだろうが、アングラ音源があったおかげで水面下でのリスナーの下支えが大きくなりオフィシャル化していった、と思いたい。もっとも突然こんなのが出てきても大いにありがたがるものではあるが。バンドによってはそういう作品も数多く存在するし、音源がない、ってのもあるんだからまだラッキーな話だ。


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Comment

[11039] ライブの実験性が・・・味噌

  昔々の物語、とにもかくにもPink Floydの「The Man & The Journey」が聴きたくて聴きたくて・・・・と言う時代がありました。LPからのその道の輩からテープ録音でやっと聴いたりで興奮し、そして我々に手に入るようになったのはCD時代が開幕してのブート全盛の開幕期、これにたどり着いた感と、もうあれ程の興奮することもないですね。簡単に手に入らない為の手に入った感動って・・・言い表せないものです。
 フロイドやクリムゾンはライブが実験場であったことが・・・・こんなブート全盛期を作ったんですね。私は"Atom Heart Mother"だって、ブラス・オーケストラやコーラスのない方がよっぽどフロイドっぽくて良かったです。今でもそう思ってます。

[11042] >Photofloydさん

TSPでのアレに驚きました。
原子心母のアレも…、はい。
ああいうときめき、欲してるんですけどなかなか難しいですね。

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