Judas Priest - Firepower

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Judas Priest - Firepower (2018)
ファイアーパワー(完全生産限定デラックス盤)

 キャリアの長いバンドになるとリスナーには様々な事を求められる。初期が良かったとか変わりすぎだ、とかバンドらしさが無くなってるとか軟弱になったとか難しくなったとか、結局その手の評判を総合すると変わることに対しての文句が多く、もっと言えば自分が好きなアルバムと同じじゃなきゃイヤなんだろうか、ってくらいのものだ。ところが当然そういうワケにもいかず、じゃ、どういう作品なら共感を得られるのか?結局コレも自分たちが信じる最高の音楽を生み出すしかないし、方向性が変わろうともそこにバンドらしさがあれば良い。これはクリエイター側じゃないと分からない悩みなんだろうけど、そんな事を繰り返してきたバンドの新作ってのは、そこまで考えているか、もう超越しているか、なんだろうな。

 Judas Priestの2018年リリース「Firepower」。冒頭からジューダス・プリーストの意地を見せつけるかのようなエッジの立ったキレの良いリフでストレートに畳み掛けてくる。ロブ・ハルフォードの歌声も冷静に聴けばあの金切り声は出してないしハイトーンでもないんだけど、ロブ・ハルフォードの歌だし、それはトーンじゃなくて声の太さとか歌そのものとかで違和感は全く感じない。これこそジューダス・プリーストって歌声だもん。そして曲そのものも常に攻め立てていくかのように重さと鋭さを同居させた正に帝王のヘヴィメタルサウンドに相応しい。制作陣営も結構なメンツを揃えてのチャレンジらしく、気合を感じるのはあるんだけど、一方ではサウンドプロダクションが今時の他の作品達と似てしまっているんで、ジューダス・プリーストだから、ってのを感じにくいかも。グレンの病状も怪しいし、その意味ではやっぱりロブ・ハルフォードの歌だけになるんだろうか。

 それでもアルバムジャケットやアルバムの内容からするとバンドの名前を賭けての勝負作という意気込みが伝わってくるからそのままを受け入れるしかない。ズバリ言えば、ヘヴィメタルの王者に相応しい傑作だ。ただ、ギタリストが替わった事で、印象深いジューダス・プリーストらしいギターリフが弱くなっているんでは?ってのは感じるが、その分他でカバーしているか。もう最後まで皆突っ走っていくんだろうなぁ。


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フレ
Posted byフレ

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