The Agonist - Prisoners

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The Agonist - Prisoners (2012)
Prisoners

 昔はこんなの全然聴けなかったし、聴きたいとも思わなかったなぁ…ってのを聞いている自分がいて、それはもう色々なバンドに対しても同じ。自分のブログながら過去記事見ても全然今と違う感覚の事が書かれていたりもするし、その時その時の記録を克明に取っておくのもこのブログの目的でもあるからそれはそれで良いんだが、いや、そういうモンかとシミジミと思う。古いロックでも同じような事はよくあるんで今更のお話だけど、普通はそこまで聴き続ける事もないし、そんな使命もないから幅を広げるみたいな事って必要ないもん。昔良く聞いてた、ってのを何度も深く聴くってのがニッチなあり方だ。ところがひたすらに幅を広げていってしまう、苦手だと思ってたバンドでもいつしか聴けてしまう、とか。面白いモンだ。

 The Agonistの2012年リリース3枚目のアルバム「Prisoners」。ボーカルのアリッサ嬢は今では割と有名な女性シンガーになってしまって、アチコチのジャムなんかでも見かけるようになっているけど、Arch Enemyのボーカルになってる。こないだも来日公演してたし、堅実な活動してるようだ。そのアリッサ嬢は元々The Agonistってバンドでカナダから出てきていて、割と評判になってたんで自分もどこかで通ったらしいが、あんまり印象になかった。ただ、今回聴き直してて、そういえば普通のクリーンなボーカルとデス声と両方を使い分けて歌ってたバンドあったな…ってのがこのThe Agonistで、そっかアリッサ嬢だもんな、なんて納得。んで聞いてたんだけど、こんなに凄かったんだ、と改めて驚いた。演奏も上手いし歌も上手いし、そもそも普通の歌手としての上手さとか声の伸び具合やパワフルさなんかも凄い一級品で、そこにデス声も出来るよなんてのが加わっているだけで、決してデス声がメインではなくても良いハズなんだが、Arch Enemyはそういうバンドなので、今のところしょうがない。その魅力が引き出されているのがThe Agonist時代のアルバムで、こりゃ凄いわってな話。

 曲もアルバムを通してやたらと複雑…ってか戻ってこない展開なんてのもあって、どうやって曲覚えてるんだろ?プログレの域にあるくらいの曲で、そこに弱くなること無く普通にボーカルも乗っかってて、その意味でもかなりの実力派なバンドメンバーとアリッサ嬢という図式が見えてて、見事なアルバムだと。あぁ、書き忘れてたけどもちろん超うるさいメタルです。メタルコアってのらしいけど、そのヘンジャンルの違いが分からないんで、メタルです。それでもこんだけのパワフルさはそうそう無いんじゃないか?ってくらいのボーカルスタイル。更に演奏陣営。このアルバムがThe Agonistの中でかなりの秀逸作となっているとは思うけど、ハマれれば凄さが分かるかも。ただ、ハマれない人も多いハズだからその意味では勿体無いけど、ユニークな存在。今はアリッサ嬢抜けてしまって違うボーカルで頑張っているとの事なので、そのヘンもいずれ聴こうかな。

 見事に以前は全然聴けなかったバンドだったけど、今にして聞いてみるとアルバムの良さが分かってしまうくらいになってる…、人間経験です。


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フレ
Posted byフレ

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