The Rolling Stones - Emotional Rescue

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The Rolling Stones - Emotional Rescue (1980)
Emotional Rescue Original recording reissued, Original recording remastered Edition by Rolling Stones (1994) Audio CD

 長々とロックを聴いていると時代の変化に即反応していくことで自信の音楽性との融合を試みていくのも重要なやり方だって事もあるし、10年一日スタイルだからこそファンが離れないというのもあったりする。自ら新しい独創性を出していくという開拓者たちもいるけど、そこはかなりのチャレンジ精神が必要になる。そんな大きな方向性を睨みながらどういうアルバム作りをしていくか、みたいな事がそれこそ会議室で行われてアルバムの制作に入るのがロックバンドの世界でも当たり前だ。自分たちが若い頃に思い描いていたロックってのは…、みたいな姿ではなくしっかりと売れるものを売るために、そしてバンドの価値を上げていけるように作るのがバンドの使命だ。何だよ、それ、って話だけど、それを上手くやれるのが世界のトップバンドだ。

 The Rolling Stonesの1980年リリースのアルバム「Emotional Rescue」。録音はもうちょいと前で、正に英国にレゲエやスカ、ダブが思い切り入り込んできて一大ブームともなっていた頃だったが、あのストーンズですらアルバムの方向性のひとつとしてこのジャマイカンな要素をベースに持ち込んだという奇作。ストーンズなら何をやっても許されるのか…、許されたんだな、これがまた。ストーンズの全アルバムの中で最も異彩を放っているアルバムなのは異論はないが、一方で「Emotional Rescue」を好むリスナーが多い事も知られている。何でだろうと思って何度も聴いてたけど、ストーンズのバンドの本質が出ているからではなくて、ストーンズが流行を取り入れてやってみたら案外相性良くて面白いのが出来上がった、そんな異色の作品だから面白い、唯一ストーンズがブレた作品だから、とも言えるか。

 そんな背景論はともかく、作品の音だけに絞ってみると何がそんなにレゲエ、ダブ風味なんだ?となるが、やはりビル・ワイマンのベースラインの作り方が著しく異なるような感じだ。ここまではっきりとした感じで弾いていたことは無かった、もしくはこれだけ前に出したミックスも少なかったから目立っている、って事かもしれない。ほかは正直、そんなにいつものストーンズとかけ離れた感はないし(当たり前だが)、すると何がこの特異な音作りになるんだ?って話。チャーリーのドラミングもあるか。ギター陣営はある意味いつも通りで、ミックも同じく、それでいてこの音だから面白いバンド。デヴィッド・ボウイなら自分が異なるサウンドをやりたい場合はバンドを丸ごと変えちゃうので分かりやすいが、ストーンズの場合はそうもいかないのでバンドメンバーの演奏スタイルをちょいと変えていくしかない。やはりストーンズは器用なメンバーの集まりだったかと違う側面で感心してしまった。なるほどストーンズファンから評価が高いアルバムのはずだ。





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フレ
Posted byフレ

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