The Pretty Things - Emotions

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The Pretty Things - Emotions (1967)
Emotions

 レーベル毎の色合いの違いっていのは最近でもあるのだろうか?70年代には大手レコード会社もレーベルを幾つか持ち、特色を使い分けてのアルバムリリースをしていて、場合によってはバンドにそのレーベルを貸与するなんてこともあり、またバンドも独自のレーベルを持ってのリリースってのもあったりと実に多様な展開をしていた。いつしかその手の話は消え去っていき、もっと統合されていったのだろうとは思っているが、自主制作盤なんてのはまだその色があるのだろうとは思う。でも、自主制作レーベルなんて今の時代あるのか?もっと個人的に出来てしまうからなぁ…。

 The Pretty Thingsの1967年リリースの3枚目のアルバム「Emotions」。Pretty Thingsと言えば初期はガレージサウンド、そこからサイケへと進み、どんどんポップ化していったバンドというイメージがあり、裏ではストーンズ関連や当然ながら60年代のジャンキーなバンドメイト達との関係なんてのもあるけど、全然売れてなくていつの時代もどこの国でもイマイチな人気加減という感じ。アルバムを聴いているとそんな事もなくってどのアルバムも個性的でユニークなんだけど、確かにバンドとしてはメンバーも変わっていってるし、バンドの出す音もどんどんと変化していくのもあってなかなか掴みどころの無いバンドという姿もある。だから故にシーンには出にくかったのはあるだろう。その中でもこの「Emotions」というアルバムは随分な扱いで世に出されたという代物で、逸話がたくさんあるアルバムだ。

 そもそもPretty Things側はこのアルバムの基本的な姿の裸のアコースティックな状態でリリースしたかったようだが、レーベル側が勝手にストリングスなりブラスなりをアフレコしてしまったんで、何とも中途半端な出来栄えになってしまったらしい。が、リスナーとして聴いているとこのバランスは絶妙だよな、と思うのでバンド側の意向には反してレーベルの判断したアレンジの方が好ましい。元々の楽曲の出来が良いのだからアレンジが多少弄られても本質的には変わらないんで、もうちょっと自信持ってくれても良いとは思うのだが、どうだろうね。いわゆる60年代の歌心溢れるサウンド、サイケやガレージっぽい部分はほぼ消え去ってて裸のバンドの姿が映し出されている作品。やっぱりロックだよ。


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フレ
Posted byフレ

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