Marillion - Script Fot a Jester's Tear

70年代のバンドが80年代には既に模倣されていると言うのは当然と言えば当然ではあるが、商業的にはまだオリジネイターが残っているのにコピーバンドがいてもしょうがないだろ、ってな話になったんじゃないだろうか。それでも少しでも売れれば良いというのはあるのだろうが…。本人たちからすれば身近で好きなバンドの模倣なのだからどちらかと言えばその間多分5年程度でシーンに出てくるのも当然、逆に20年も経過してからってのは少ない方だろう。その場合の模倣からオリジナリティの確立ってのがなかなか難しく、最初はもてはやされるけど、そこからどうバンドを進めていくかというのはなかなか悩ましいトコロだろう。上手く駒を進めていったバンドも多いが、行き詰まってしまったバンドもまた多い。
Marillionの1983年リリースのファーストアルバム「Script Fot a Jester's Tear」。昔ちょこっと耳にした程度で今回ほとんど初めてまともに聴いたに等しいんだが、驚くほどの完成度の高さと実に英国的でファンタジック、且つドラマティックな世界に感動した。ジェネシスフォロワーとの異名が高くてまるで聴く気にならなかったんだけど、こうして耳にしてみれば自分的には圧倒的にジェネシスよりも聞きやすくて生理的にも受け付けられる範疇のバンドという感じがする。何がそんなに違うのかは分からない。確かにジェネシスと同じ世界感を作り上げているし、曲にしても歌にしても楽器の使い方にしてもジェネシスそのままなんだから好みが分かれることもないのだろうとは思うけど、現代的だから?80年代の音だから?Marillionの方が全然良いわ。そういう意見も珍しいとは思うが、聞いててそう思うんだからしょうがない。ジェネシスに媚び売ってもしょうがないしさ。
いやはや、ちょいと自分でもね、こりゃ聴けるし聴きやすいしこの世界観なら押し付けられ感もないし、作品的にもたっぷりと練られてるし充実しているし単独で世界が出来上がってるし、面白いなと感じた。ハードロック的なエッセンスがちょいとあるからかな。フィッシュ脱退後のマリリオンって聞いてないからわからないけど、フィッシュ時代からまた聞いていこうかな…って思うくらいには楽しめた。多分今だから聴けるんだと思う。
- 関連記事
-
- IQ - Tales From the Lush Attic
- Marillion - Script Fot a Jester's Tear
- It Bites - Eat Me In St. Louis