AC/DC - Dirty Deeds Done Dirt Cheap

0 Comments
AC/DC - Dirty Deeds Done Dirt Cheap (1976)
Dirty Deeds Done Dirt Cheap (Dlx)

 世界を股にかけるバンドになるってのはなかなか狙ったって出来るもんじゃないし、それぞれの国のリスナーがきちんと好んでくれないと長続きもしないし、一過性のポップスターと同じになっちゃう。だからじっくりと熟成させながら活動して認知してもらって根強いリスナーを育てていって初めてワールドクラスのバンドってものになる。アメリカのバンドはアメリカという国がそもそもそういうよそ者ばかりで成り立っている国なので、ひたすらドサ回りして認知度を上げていかないと認められないのもあって、自然とそういうことをしているから、アメリカでそこそこ売れると当然世界的に売れていく、みたいな構図ではあるが、その逆は結構しんどい。アメリカを制覇したら世界はほぼ手中にあるとも言えるのかもしれないが。

 AC/DCの世界デビューは1976年だったが、オーストラリアでデビューしてから二年後の話だった。そして今回はメジャーでの二枚目のアルバム「Dirty Deeds Done Dirt Cheap」だが、これも1976年にはリリースされていた。若い時代だから目一杯活動している時期だったんだろうなぁ…、まだボーカルはボン・スコット時代で、あの歌声が力強く生々しく聴けるのもこのアルバムの魅力なのだが、ちょいと待てよ、1976年にこの音とサウンドだったってのはやっぱりかなりハードだったんじゃないか?って思うワケだ。やってること自体はブギと呼ばれる部類のサウンドに近いけど、それにしてもパワフル。この時代に出てきていたバンド郡からしてもかなりハードだっただろうと思う。Zeppelinとは違うハードさで、やっぱりそれはHM/HRと呼ばれる世界でのハードさだが、その意味ではこの頃ってまだそんなに居なかった時代だし。レインボウの様式美とは違うし、明らかに新時代のサウンドを出しているバンド、アルバムだもん。リアルタイムではかなりの衝撃だったんじゃないだろうか。

 今からしてみるとまだまだシンプルでソリッドな音で、AC/DC的サウンドの根幹は出来上がってるのは確かだけどあと一歩のトコロにある感じか。それでも後々まで残る曲も割とあるから原点でもある。ギターの音が生々しくて、SGってこういう音なんだろうなぁ、ってのに想いを馳せた。ここまで体ごとグイグイ引っ張ってくのもなかなか無いし、R&Rそのものでしかない。それで世界を取ったバンドなんだ。このパワーをひたすらに継続しまくったからってのも大きいだろうし、個性的な音とキャラクターの確立もあっただろう。でもやっぱりものすごく熱いロック魂そのものが格好良い。あ、忘れてたけど、このアルバム・ジャケット、ヒプノシスなんだよ。う〜ん、AC/DCにヒプノシスはまるで似合わない…。



関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply