Taste - On the Boards

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Taste - On the Boards (1970)
On the Boards

 正月ってのは時間がたっぷり取れるから好きなのをじっくりと吟味しながら聴けるってのは毎年思うが実にありがたい休みだ。他にもすることたくさんあるだろ、ってな話だけど割とそうでもなくて結構ね、自分の性格的にはいわゆる夏休みの宿題は最初の3日で仕上げてしまって残りはすべて思い切り遊ぶという計画的な部分があって、追い込まれないとやらないというんでもないのでやんなきゃ、ってことはさっさと片付けてしまっての時間を有意義に使うって感じです。その方がすっきりとモヤモヤなく好きなこと出来るんでね、あれやこれや気にしなくて良いし。だからホント、じっくり聞く時は聴けるという幸せ。じゃ、何聴こうかなぁ〜ってのもまた楽しみだし。

 Rory Gallagher率いるTasteの1970年のセカンドスタジオアルバム「On the Boards」。そもそもスタジオ盤二枚しかリリースしてないし活動期間も1年強程度しかなかった強力なトリオだったワケで、それでスタジオアルバム二枚にライブアルバム何枚か、ってのは結構な仕事量だったと思う。ライブ盤がいくつもあるのは注目されてなきゃ録音されてないし、やっぱ人気も期待度もあったんだろう。ワイト島のライブに出れるのもそれだけ注目されてたからと思うし。もっともライブやこのスタジオ盤を聴けば当時いくらブルース・ロック全盛期だったと言ってもクラプトンじゃないけど、ロリー・ギャラガーが突出したプレイヤーだったのは分かるでしょ。Tasteというバンドのアンサンブルだって結構なモンで、ロリーが引っ張ってるのはあるけど、しっかり付いてってるし。

 んで、この「On the Boards」ってアルバムはセカンドで、短期間でリリースしてきたのもあってか普通はファーストと似たような傾向になるんだけど、敢えて意識的にちょいと変化球を入れてきたという感じの作風に仕上げているようだ。このあとのロリーの活動を見ると決して自身の音楽性がこのアルバムで聴けるようなちょっとプログレッシブな方向にあったようには思えないので、意図的に作風を変えてきたんだろうと思う。サックスやブルースハープまで吹いているようだし、それも出来ちゃうのも凄い。んで、どう変わってるかってぇとちょっと深みのある曲構成やアレンジ、多様な楽器類を用いた変化球という感じではあるけど、それでもまぁストレートなブルース・ロックそのまんま、ではある。やっぱギターを弾きまくってるのが一番格好良いもんなぁ。確かに飽きるけど。その意味でこのアルバムは秀逸かもしれない。物足りなさはあるけど出てきた時のギタープレイはさすがっ!ってな感じで聴けるし。

 ホント、この人、もうちょっと楽曲を磨くってのがあればなぁ…、それが無いからこそ熱いギタープレイな男、だけど。久々に聴いたこの「On the Boards」は割と冷静に聴いていた。色々考えてたのかなぁとか、ちょいと捻ってるんだろうなぁとか勝手に妄想できたし。それでも味わい深いアルバムだし、こういうロックが自分は大好きだし、やっぱりロックは格好良い。


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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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デューク中島  

確かに この盤は LIVEでもやってる what's going onと morning sun位しか パッとした作品が無いのが 残念でした。曲のキャッチーさに関しては ファーストの方が 好きですね。よろしければ 本年も 老人の昔話との お付き合い 宜しくお願い申し上げます。

2018/01/04 (Thu) 08:34 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>デューク中島さん

曲に関してはもう、ね。
今年もよろしくお願いします。

2018/01/08 (Mon) 21:38 | EDIT | REPLY |   

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