Led Zeppelin - IV

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 2006年最後のレビューはやっぱりロックの名盤で締めよう。過去から未来に於いて史上最大最高のロックバンドと云えばひとつしかない。レッド・ツェッペリン。その中でも今回は最高傑作として誉れ高いアルバム「Led Zeppelin IV」を書き連ねてみようか。いや、Zepに関してはファーストから順番に機会がある毎に書いているのでたまたま四枚目の順番になっているのだが、年明けも多分ロック名盤をいくつか乱列していこうかな、と。

 そうだなぁ、書いていくとキリがないのでサラリと(笑)。自分的にはこれを高校入ってすぐくらいの頃に聴いたのが最初でその前にもセカンドあたりは聴いたことがあるかな、っていうレベルだった。名前だけはよく知っていたツェッペリンの最高傑作だって云うことで聴いたんだけど、何かピンとこなくて、凄い偉大なモノを聴いたのにピンと来ない自分が未熟だと感じて何度も何度も聴いたもんな。もちろん「Black Dog」や「Rock And Roll」っていうナンバーはわかりやすかったんだけどB面がさ、キツイからねぇ…。アルバムが名盤だと云われるとどれも素晴らしい曲ばかりなのだ、という認識だったから制覇仕切れなかったっていうのがダメだったワケ。ま、今となればそれでもいいんだけど(笑)。

 「Black Dog」…、なんだこのリフは(笑)。中間のリフはジョンジーが考案したもので譜面にすると別に普通の音符が並ぶだけで全然問題のない拍子なのだが、ひとつのまとまったリフという構成からすると妙に聴きにくい、そして弾きにくいリフなのだよ。ドラマーがこれをコピーする時は真価を問われるもので(笑)、如何に他のパートの音を聴かないでリズムを叩けるか、みたいな(笑)。メロディー隊は如何にリズムに忠実にリフが弾けるか、みたいなね、そんな試験石でさ、慣れると簡単なんだけど最初はワケわからない状態になる(笑)。で、まぁ、Zepの面々も初期のリハーサルなんかでは間違えまくったり止まってしまったりしているので、ああ、彼等も人間だったんだ…と安心したこともあった(笑)。「Rock And Roll」もねぇ、ドラムのイントロから始まるんだけどさ、あのタイミングでぴたりと全員が入るって難しいんだよ、ホント。これも素人が集まってやったくらいでは絶対にできないっつう、何ともZepらしいヒネくれ感(笑)。だからZepの曲っってセッションでやろうぜ、っていうのがないんだよな(笑)。それとさ、まぁ、前の「Black Dog」もそうだし他の曲もそうだけど、とにかくこのギターの音ってかなり不思議でね、レスポールなんだろうけど、えらくトーンもマイルドだしそもそも歪み具合が妙で、ちょっと出ない音なんだよ。ま、普通にはね。そういうトコもこのアルバム全体では凄く凝ってて、一時期はこのアルバムの音作りとかリバーブ感とか音の重ね方とかエフェクトの使い方とか楽器とマイクの距離感とか、そういうとこばっかりを聴く聴き方していてさ、やっぱり凄く勉強になったし、さすがジミー・ペイジだ、って唸ったもん。一般的な評論で彼等が崩れないのはこういうプロ的な側面があるからだろうと思う。音楽だけではなくって、創作する過程ってのもプロデュースできてるワケだからね。いわゆるペイジ氏のアタマの中にある音が全て鳴っているっていうことでさ、それが人任せじゃないってのが凄いんだ。…いかん、やっぱり長くなりそうだ(笑)。で、「限りなき戦い」ね。Zepのアルバム中唯一ゲストが参加した作品で、それがまたサンディ・デニーっつうトコが英国的♪ Zep結成直前、ペイジはZepをアコースティックバンドからにするかハードロックからにするか悩んだと言う。もしアコースティックバンドからだったらこれほどの評価にはならなかったかもしれないが、ハードロックからアコースティックに行ったため、もの凄い評価になったワケだな。そんな過程があるから、当然アコースティックにも自信があったワケで、だからこそサンディ・デニーなんていう素晴らしい女性ボーカルをゲストに迎えても全く彼女が燻ることなくプラントと共に曲の激しさを奏でてくれたものだ。これもねぇ、ギター、凄く難しい。っつうかマンドリンなんだけどさ、こういう楽器をさらりとアルバムに入れられるってことはやっぱりそれなりに普段からマンドリンに接してないと無理なワケで、そういう面もやっぱり凄いんだよな。で、ギターはアレでしょ?う~ん、やっぱり音楽家なんだよな。で、A面最後…、あ、何も書けません。

 「天国への階段」

 これだけで三日間語れるかもしれないので、何も書かないことにしよう(笑)。全てが詰まった名曲です。

 やっぱりね、アナログレコードってのはよく出来ていてさ、「天国への階段」で終わったあとターンテーブルに向かってレコードをB面にひっくり返すっていう作業の「間」と言うのはこのアルバムでは絶対に必要。CDでこのまま「ミスティ・マウンテン・ホップ」に行くとやっぱ物足りないっつうか、違和感あるもん。で、その「ミスティ・マウンテン・ホップ」だが、最初は全然面白くないと思ってたなぁ。何でZepがこれを好んでライブでやってたのか理解できなかったくらいだもん。それは今でもなんだけどさ(笑)。で、次の「Four Sticks」。うん、ペープラで再度スポットを浴びた時にこの曲の持つ本来のゴージャスさと言うのを知らしめたっていうのはあるね。Zep流変拍子的な曲で最早完全にプログレッシヴな世界に入っているんだけど、土着的なリズムで盛り上げながらストリングスっぽい美しさも持っているという、しかもそれがギターで奏でられているところが妙な雰囲気を出していて、独特の味付け。これこそZep時代にライブでやってもらいたかったものだが…、ま、何度かやってうまくいかなかったからセット落ちしたみたいだけどさ。そしてまたもやアコースティックの名曲「カリフォルニア」。英国が憧れるアメリカへの郷愁と云った様相を見事に表したもので、最初のギターのアルペジオっつうかフレーズの使い方がいいんだよ。プラントの歌も歌詞は大したこと言ってないけどどこか幻想的な雰囲気になっているしねぇ…。最後の「リヴィー・ブレイクス」は、これもヘンな曲でさ。後半のトコで一小節多いとか(笑)、ドラムセットをどこかに置いてマイク一本で録音したとか、そのおかげでとんでもない迫力の音に仕上がったとか…、確かにもの凄いベードラの音でボンゾのけたたましさがよくわかる。しかしドラミングは決して派手なものではなく力強く迫り来るだけだ。そして楽曲そのものもとんでもなくヘヴィーなもので、冒頭からうわぁ~って引き込まれるし、何と言ってもペイジのギターのカラフルさが圧巻。最後まで迫力満点なんだよな、これ。凄く好きだなぁ。

 まぁ、てなことで軽~く書いてもこれだもん…(笑)。ジャケットとか紫盤とかキリがないよなぁ…。うん、そんなことで、一年の締め括りにはやっぱり最高のロックを大音量で流して全ての垢を落としたいね。やっぱZep最高だ~!
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フレ
Posted byフレ

Comments 11

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jerry   
目茶苦茶好きじゃないですか・・・

フレさん、ZEPそんな好きだったのね。

愛情あふれまくりですよ。胸いっぱい感じます(笑)

A面とB面のドラマ(間?)分かりますね。 アレを知ってるのと知らんとでは、感動の伝わり方が違うでしょうね、きっと。

ところで、ZEP最初の4枚組みリマスターって、フレさん的にはどう思われましたか? 私は、「ジミーなりに頑張ったな、おぉ、なるほど!」と選曲、曲順に納得してるんですが、最後の最後が、♪All My Love じゃないですか、アレをガッカリと言うファンが多いと聞いた事があるので・・・

2006/12/31 (Sun) 22:24 | EDIT | REPLY |   
white  
自分はカセットテープでA面B面・・・

最初は良くわかんなかったけど、しばらく聴いてるとクセになってしまって今に至っております。
ブラックドッグ・・・ほんとズレてんじゃねぇの?って最初は思いました。

トラバさせてもらいましたぁ。

2006/12/31 (Sun) 23:11 | EDIT | REPLY |   
evergreen  
グレイトです!

もう凄いんだから。。。
読んでて笑いがこみ上げてくるのは何故?
これ多分ものの数分で書き上げてるね!ノリがすごいもん。
もうねZEPに関しては誰も入り込めない世界があるね。素晴らしい。
ZEP以上に素晴らしいです。

2007/01/01 (Mon) 01:04 | EDIT | REPLY |   
papini  
すっげぇ・・・

隙がない・・・
すっげぇ愛情の塊を感じるぞ(笑
やっぱり、アナログだよなぁ、っていうのは一緒。
これ、「天国への階段」から
絶対一呼吸必要だもん(笑

父ちゃんがね、これにパーシーとジミペイの
直筆サイン書いてもらったのが実家にあるよ。
父ちゃんの名前入り(笑

当然、家宝になってる(笑

2007/01/01 (Mon) 09:42 | EDIT | REPLY |   
オダ  
アマチュアがやるのは

新年あけましておめでとうございます。

Zepいいですね。
A面とB面の間の微妙な間ってところは自分も同感です。

自分が学生時代のバンドで、Zepにチャレンジしたのが「ブラックドック」と「ロックン・ロール」と「天国の階段」。
やはり前2曲は、かなり苦労しました。

特に「ブラックドック」は自分たちだけで合わせようとすると合わせるのに凄い苦労する。
最後はテープ流しながら他のパートと合わせるのに慣れる事で、やってナンとかものにできましたが。
アマチュアバンドが手を出すのは厳しいと身につまされましたね(笑。

2007/01/01 (Mon) 22:05 | EDIT | REPLY |   
Bono  
フォー・リンボルス

このアルバム確かにCDだと「天国への階段」から「ミスティ・・・」に繋がる"間"がなくて変ですよね。
私もレコードから入っているのであの違和感は
もの凄く気になっています。

このアルバムでは、私は個人的にアコースティック曲が好きなんですよね。
「限りなき戦い」とか「カリフォルニア」とか。

2007/01/02 (Tue) 01:02 | EDIT | REPLY |   
けんじい  
シンボル

このバンドこそロック界のシンボル

2007/01/02 (Tue) 01:08 | EDIT | REPLY |   
ぷくちゃん  

文章読んで聴きなおしてみました。正直言って昔は(中高生の時)パープルの方が聴きやすくてよく聴いていました。メロディもとっつきやすいし。

ZEPの良さは他の色々な音楽を聴いて戻ってきて初めて理解できたようなところがあります。

今ではこの究極の音楽性、そして何よりも無駄のなさ。そう一音たりとも無駄がないような音楽に恐怖さえ覚えています。あの「幻惑されて」でさえ無駄がない!

フレさんの文章に圧倒されました。

2007/01/03 (Wed) 08:43 | EDIT | REPLY |   
フレ  
多数コメント感謝!

>jerryさん
ん?そうっすねぇ~、Zepが一番好きなバンドですねぇ~。だからどわ~って書くと一気に愛情が溢れる(笑)。ちなみに4枚組リマスター盤が出た時の感想はですね、こういう曲順の組み合わせもあるのか…素晴らしい、と素直に思いました。ガッカリとか何とかは一切ないですね。最後の「All My Love」良いですけどねぇ~、最後、って感じするじゃないですか、ね。

>whiteさん
うん、クセになります(笑)。あの「ズレ」って感じるところがクセあるんですよねぇ、ほんと。

>エヴァ姉さん
わっはっはっ。笑いがこみ上げてくるのはねぇ、多分ニヤニヤっつう笑いだろうけどさ、分かる気がする(笑)。で、見事。5~6分とは言わないけど、一気に書いてるね、何も考えずに。最初に意図したものと違うのが出来上がるってのも何故か不思議(笑)。

>papini嬢
嬉しいな♪ 文学家のpapini嬢にホメられるってのは。うん、愛情があるからだろうなぁ、きっと(笑)。しかし父ちゃんのそのレコードはいつ書いてもらったサインなんだろう?Zep来日公演時だったら凄いものがある…、当然家宝モンだよな…。。ペープラで来日した時はあちこちにサインしまくってたからさ。

>オダさん
でしょ?コレ、ヘタに手を出すとバンド解散するよ(笑)。慣れると心地良いけど。ホントにねぇ、面白いバンドっす。

>Bonoさん
そうなんですよねぇ、あの「間」はアナログ世代には必須で、CDで聴いていると「ミスティ…」がどうしても印象薄くなっちゃうし、「天国…」の余韻も味わえないもんね。アコースティック系も素晴らしいっす、うん。

>けんじいさん
うん。全く同感♪

>ぷくちゃん
大体そうなるはずなんだよね。後追いだから敢えてパープルは通らないでZepに行けたってのあるかなぁ。でもわかんなかったけど(笑)。無駄のなさ、か…、捨て曲ないもんなぁ…。確かに。文章に圧倒されたってのも面白いけど…、毒舌家にホメられるとテレますね(笑)。

2007/01/04 (Thu) 18:49 | EDIT | REPLY |   
mohariza  
「天国への階段」とカルメン・マキ&OZの「私は風」

レッド・ツェペリンの「天国への階段」とカルメン・マキ&OZの「私は風」は、私は好きで、時々行くスナックのカラオケで歌う最後の歌の2曲である。

どちらも、静かな、語り調で始まり、突然、曲調が変わり、ヘビ・メタ(ハード・ロックの真骨頂)の絶叫をし、それで収まったと思うと、静かな余韻で終わる。

レッド・ツェペリンは、中学校時代に友達から教えられ、カルメン・マキ&OZは、大学時代に、やはり友達から教えられた。
耳で覚えており、「天国への階段」は、たまたま、何かのきっかけで、歌いだした。
どちらかの歌が、スナックのカラオケで歌う最後の歌となっている。

もちろん、絶叫時に彼らのような高い声が出るわけには、いく筈は無く、私なりのアレンジで歌う・・・。
私の歌う歌のほとんどは、原曲とは違い、私のアレンジになっているといってよいが・・・。

2007/01/08 (Mon) 04:55 | EDIT | REPLY |   
mohariza  
「天国への階段」の歌詞について

私は「天国への階段」の絶叫の、

Your head is humming and it won't go, in case you don't know,
The piper's calling you to join him,
Dear lady, can you hear the wind blow, and did you know
Your stairway lies on the whispering wind.

And as we wind on down the road
Our shadows taller than our soul.
There walks a lady we all know
Who shines white light and wants to show
How everything still turns to gold.
And if you listen very hard
The tune will come to you at last.
When all are one and one is all
To be a rock and not to roll.

そして、静かな余韻の
And she's buying a stairway to heaven.
が好きだ。

2007/01/08 (Mon) 05:11 | EDIT | REPLY |   

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