Earthshaker - Fugitive



日本のロックも洗練されてきた1980年代、関西ヘヴィメタルシーンが密やかに盛り上がりつつある中、一足先に躍り出てきたのがアースシェイカーだ。この時期の通称ジャパメタ一連のサウンドは70年代後期を一世風靡したレインボウに代表されるシンプルなリフとドラムによるサウンドがモチーフになっていることは明らかで、当然あのサウンドにやられた連中がこぞってバンドを組んだ結果のひとつとして捉えられる。中でもアースシェイカーはその走りでもあり、また日本人独特の演歌メロディをしっかりと採り入れた正にジャパメタと呼ばれるに相応しいバンドだろう。
アルバム…っつうか、どういうワケか「モア」とか「ラジオ・マジック」ってのが有名なんだけど、アルバム的には「フュージティヴ(逃亡者)」や「ミッドナイト・フライト」あたりが一番それらしいし今でも聴き続けている人も多いはず。洋楽のホンモノばかりを聴いている耳からはどうしてもクサイ部分が気になってしまうけど、日本人である以上やっぱりこうなるだろうし、それが悪いかと言われれば決してそんな事は無くて、割と心地良かったりする。演歌入ってるからな…、ギターも良い音してるし、テクニックっつうか音の使い方っつうか出し方ってのはやっぱり繊細な日本人なだけあって、細かく使い分けられているし、フレージングも多分ジャパメタバンドの中ではダントツの美しさを持っている。コーラスワークもしっかりしているし、うん、今聴くと懐かしさもあるけどよく出来てる。時代の古さはしょうがないが。
「T-O-K-I-O」とか「ミッドナイト・フライト」、「記憶の中」や「フュージティブ」なんてのは良いなぁ。歌っているのを聴くと思い切り歌っていて気持ち良いし、歌詞もクサイけど何かね、悪くない。カラオケで歌うならかなり気持ち良いかもしれない。
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