村八分 - Live



世の中クリスマスイブってことで相変わらずのクリスマス商戦と、カップルのデートが盛んな良い時期に、何故にかしらんが、クリスマスなんぞとは全く無縁としか思えない退廃的な70年代初頭の日本のロックを書いている自分…、う~む、ま、いいや(笑)。しかもよりによってその中でも最もツマハジキな日本の伝説のロックバンド、村八分だ。ある意味で奇跡のバンドとしか思えないのだが、ま、世の中には無頓着っつうことでクリスマスイブに村八分、良い組み合わせじゃないか。
ライブこそがロックバンドだという至極当たり前のスタンスを貫き通した日本で唯一のメジャーなロックバンドではないだろうか?そう、スタジオ録音盤というものを制作して販売してプロモーションしてツアーやる、という過程ではなく単にライブを繰り広げてその知名度を日本中に知らしめた、そしてロックとはこういうものだという印象をも植え付けたのだ。だからこそ今でも村八分というバンドの名前は何となく知っているけど、実態はよく知らないという輩が多いワケで、そりゃそうだ、名盤とかアルバムとかでのこされてないんだから。
とは言え、1973年の解散間際に録音された「ライブ」というアルバム、京都大学西部講堂で録音されたもので、今では聴ける他のライブアルバムと比べてみても圧倒的に出来が良く、またボーカルのチャー坊のラリ具合が適度なテンションを維持していたためか素晴らしいロック伝説を生み出す程のライブを収録した一枚がリリースされている。…っつうかそれだけ。ここ何年かでいくつか発掘音源がリリースされたりボックスセットがリリースされたりして、短い活動期間に行われたライブの音源のいくつかが聴けるみたいね。そこまで手を出してはいないけど、やっぱ最初の「ライブ」でしょ。なんてったって富士夫ちゃんのギターの鋭さったらありゃしない。ギターにロックの魂が乗っかってるもん。問答無用、って感じでさ、いいんだよ、こういうので、ロックってのは、みたいなね。
富士夫ちゃんのバンド、ティアドロップスになってからは当然普通のメジャーシーンと同様の展開になるんだけど、チャー坊はそのままだったみたいで、94年にオーヴァードーズで亡くなっている。時代に取り残された人だったのかもしれないな。サンハウス、村八分、外道、このあたりはやっぱ本気でロックだよ。うん。