motorhead - Another Perfect Day

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motorhead - Another Perfect Day (1983)
ANOTHER PERFECT DAY

 昔レコードを集めていたようなキャリアの長いコレクターが音楽に詳しいだろうと思いがちだが、コレクター諸氏でも全てが網羅できた神に近い人はともかくながら、大部分のまだまだ道半ばの諸氏からしたら集めきれていないレコードなんかも多数あるワケで、それに比べると今時の吸収力のある若い世代がYouTubeやDLなんかで簡単に聴けて知識アップしてしまう構図の方が多分相当にレベル的には高まるのだろう。だからその筋に入ってきた若い世代は簡単にジジイどもの世界まで到達してしまうということだ。なるほど…、あり得るけど、そこまで入る人ってどんくらいいるんだろ?

 Motorheadの1983年リリースの「Another Perfect Day」、Thin Lizzyのブライアン・ロバートソンが参加したアルバムという事で知られている作品。当時のモーターヘッドファンからしたらあり得ないギタリストのチョイスだろ、ってトコロからアルバム聴いても軟弱に映ったメロディセンスの高いギタープレイが目の敵にされたようだ。そりゃそうだろうな、と納得する部分は多々ある。でもさ、この極悪な爆音にこのメロディアスなギタープレイってなかなかこれまた見当たらないサウンドだし、新たな試みにしては出来すぎてるサウンドで、これはもう組み合わせがこうじゃなきゃ狙っても出来ないくらいのサウンドではある。ベースがバッキバキに歪んでいる中、マイルドで芯の太いレスポールサウンドのソロプレイがメロディアスに流れるんだから恐れ入る。今となっては結構な評価になっているとは思うけど、どうやって取り組んで良いんだ?ってくらいには悩ませるサウンドではあるね。

 いつものレミーのベースと歌、ドラムもいつも通りの中、ブライアン・ロバートソンのこのギターは美しすぎる。旋律にしても思い切り幅を広げているし、結構面白い曲に仕上がってるけどな。いつものモーターヘッドのプレイスタイルは全然崩れていないし、何らバンドそのものに問題はない気がするけど、市場リサーチに敏感なレミーはこの年の暮れにはブライアン・ロバートソンを排除してしまっている。それなりの理由もあったようだけど、ある種勿体無い排除だったかも。今の時代に至るまでこの手の音をメインにしたバンドは目立ったトコロにはいない。どっか出てきても売れるとは思わないけど、ひとつのチャレンジとして拡大できるジャンルなのかもしれない。多分、こういうギターが好きなんだろうな、自分。


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フレ
Posted byフレ

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おっさん  

当時からミスマッチな感じはしてましたが、たしかこのメンバーで来日しましたよね。

2017/09/13 (Wed) 22:43 | EDIT | REPLY |   

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