The Lords of New Church - Is Nothing Sacred

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The Lords of New Church - Is Nothing Sacred (1983)
Is Nothing Sacred

 古くからスーパーバンドなんて言葉があって、どこそこの著名な人達が集まって組んだバンドって事なんだが、そのウリ文句で成功したのはあまり聞いたことがない。せいぜいポール・ロジャースのBad Companyくらいだろうか、という印象。他にもあるけど商業的にもバンド的にもってのはなかなか見当たらないんだよね。そりゃさ、そんだけの強者集めたら凄いけど個性も強いから成り立たないってのもあるだろうし、エゴも出るだろうから圧倒的な天才に着いていくみたいな構図じゃないと厳しいんじゃない?なんて凡人は勝手に想像するんだが。

 The Damned解散で再結成時にはバンドに戻らずにパンク界でのスーパーバンドとなったThe Lords of New Churchを組んだブライアン・ジェイムズ、ボーカルにはDead Boysのスティーブ・ベイダー、ベースにはSham69のデイブ・トレガンナという布陣での1983年リリースのセカンド・アルバムが「Is Nothing Sacred」。肩書の通りのバンドであれば素晴らしきパンクバンドのハズだったんだが、どういうワケかそうはならず、ポストパンク的なスタイルを実践、それはちょいとゴシック調でもありメロディアスでもあり、The Damnedの中後期あたりと共通項もあるスタイルになるのかな、特にこのアルバムなんかはドラムが80年代初頭のあの音だからむちゃくちゃポップスに聞こえるワケで、普通に聞いたら単なるポップチャートに入ってくる音を出すバンドなんだな、っていう感触。肩書なんて何の役にも立たない感じのポップバンドサウンド。いや、実験的な要素はたくさん盛り込まれているし、確かにポストパンク的なスタイルでもあるし、スティーブ・ベイダーの歌だからかっちりってワケでもないし、ロックエッセンスたっぷりなんだけど、録音の問題なのだろう、本来のバンドの音を殺してしまっているかのような音は聴いていると結構キツイ。好みの問題だろうが、もうちょっと何とかしてほしかったなぁ…。

 気を取り直して音から音楽、内容へと耳を切り替えてみるとこの時代にはこういうサウンド出すバンドは確かに無かったのかもな、と。ただ、これでリスナーを取り込むってのもなかなか難しかったんじゃないだろうか。3枚位はアルバム出てるからそれなりに売れたんだろうけど、買っていた昔からのリスナーは多分こういう音は求めていなかったんだろうし、どうにも難しい。もっとパンクロック連中らしい音でストレートにやってくれりゃ良かったのにな、とも思うがそれじゃ新しいバンドにはならなかったのだろうし、どうにも…ってなトコだ。



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フレ
Posted byフレ

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