The Stranglers - Feline

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The Stranglers - Feline (1983)
Feline

 熱い魂を叩きつけるかのようなロックのエネルギーとパワーが好きだ、というところからすると真逆に位置するこのニューウェイブあたりの路線、そんな魂なんぞどこ吹く風、ひたすらに陰鬱に自虐的な方向へと突き進む内向的なエネルギー、と言ったところか。そのいずれもが人気を博しているし、どちらも同じくらいの人気がある。ただ、大抵は何れかに属することが多いし、両方をバランスよく好むという人間もそうそうはいないだろう。はて、自分はと言えばやっぱり当然前者になるんで、底が浅いというか所詮ミーハーと言うか(笑)。

 The Stranglersの1983年作品となった「Feline」。これまでからレーベルも移籍してますますヨーロピアンエッセンスが強くなってきたとも言える作品で、昔の初期パンクのバンドです、なんて雰囲気はまるで残っていない。かと言ってポップバンドとも言えず、ニューウェイブですね、とも言えないユーロピアンな雰囲気が漂っているアルバム。ってかストラングラーズ自体がそういう存在になっていて、日本じゃもう全然下火だったけど英国ではこの時期の方が人気があるというお話なので、やっぱり大きくセンスが異なるんだろうなぁと思う。日本でこんなんが人気出るとは思えないもん。それでも聴いていると確かに美しくデカダンでユーロピアンな雰囲気の中、メロディアスな歌が流れてきて、それも媚びを売るものではなく悲嘆的なスタイルに近いか。歪んだギターなんてのはほぼ聴かれないというのも特徴的。

 一方では80’sと呼ばれる第二次のインベンションが起こっている中で真逆のロックシーンとしてこんなのが受けてたってのは面白い。さすがに表舞台に乗り込む程の無鉄砲さではなかったところは救いだが、どう思って見てたんだろうね。ちょっとそっちに寄れば乗れたんだろうと思えるだけにちょいと興味ある。それはともかくとして、この音、知的なセンスがバリバリと感じるものの、ロック的に好きか?ってなるとなかなか「うん」とは言えないかな。ただ、ストラングラーズってこういう進化があるから面白いし、ストラングラーズらしいからじっくりと制覇していくバンドかな、なんて思ってますね。



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フレ
Posted byフレ

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