Help Yourself - Help Yourself

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Help Yourself - Help Yourself (1971)
ヘルプ・ユアセルフ(紙ジャケット仕様)

 今の時代に至るまでも英国のロックシーンはホントに多種多様なものを吸収して、そもそも新しい音楽を開発していこうなんて意識なしで勝手に新しいものが創造されていってる。何かを聴いてこういうのやりたいな、ってトコから始まって独自解釈と自分達で出来る範囲での取り組みから始まると、いつしかそれはちょいと何かとミクスチュアされていって英国独自のものとなっていく、なんてことが多い。逆にアメリカが英国ロックを真似した場合はほとんどそのままでアメリカの快活さが必ず入ってくるのでもっとシンプルになる事が分かってるからどうしてもすっきりしてしまうんだな。

 パブロックの創始者的な立ち位置にあるHelp Yourselfの1971年のデビュー作品「Help Yourself」。実際パブロックというジャンルが出てきたのはもうちょっと後だから、どっちかっつうとスワンプ=カントリーホンク的なサウンド、ニール・ヤングとかフォーク・ロックのウェストコーストサウンド系なんだけど、単純にそういう風には聴こえないのが面白い。やっぱり快活さとか本来のアメリカのカントリー的な乾き具合が事実無いからこういうしっとりな音でのカントリータッチになっちゃうんだろう、だから故に英国での独自ジャンルになっちゃうんだよね。面白い。このアルバムでももちろん狙いはCSN&Yあたりの音なのだろうけど、自分達なりの解釈が入ってるから曲によってはカントリーなのにプログレ的な展開を感じる「Old Man」なんて曲もあったりして、一言でスワンプの筆頭格、というのもどうかという部分はある。

 最初は衝撃的だっただろうと思う。クラプトンやストーンズ、キンクスなんかがこぞってこういう世界観のアルバムをリリースしていった時期だから流行していたんだろうけど、やっぱりこれだけだとしんどいよね。バリエーション豊かな曲を、ってもなかなかそうはならないし、あまりやりすぎると冗長にもなるし、そのバランス感覚を持っているバンドだけが生き残っていくことになるのは当然の流れとなった。70年代ってのはそういうのシビアだったもんね。自分的にはやっぱり好んで聴くタイプのバンドではないけど、何かとバンド名は出てくることが多いから聴いたことあった次第。リラックス出来て良いのはあるね。





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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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デューク中島  
スワンプではなく

当時は フォークロックまたはエレクトリック フォークって 扱いでした。いいバンドだったのに 日本未発売で 一般に知られることなく 消えて行ってしまったのが 残念です。

2017/09/01 (Fri) 21:22 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>デューク中島さん

そうでしょうねぇ…、普通にそういう音ですもん。
でも今でも発掘されて残ってるんだから面白味はあったんだろうと思います。

2017/09/03 (Sun) 22:15 | EDIT | REPLY |   

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