Ernie Graham - Ernie Graham

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Ernie Graham - Ernie Graham (1971)
アーニー・グレアム(紙ジャケット仕様)

 パブロック…、スワンプ系…、英国で起き続けていたシーンの変化とその呼称、カテゴライズとも言われるけど、それが自分の中で消化しきれないのがこのヘン。フォーク・ロックからスワンプへ、そこからパブロック、さらにはパンクへの発展とどうにも結び付きにくい発展形ではあるが、そういう系譜になるはずだ。その前になると今回のアーニー・グレアムが在籍していたEire Apparentの「Sunrise」はジミヘンのプロデュースによるアルバム作りだし、話題には事欠かないのだが、それこそがロックの系譜のひとつでもある。

 Ernie Grahamの1971年リリースの唯一のソロアルバム「Ernie Graham」はバックにHelp YourselfやBrinsley Schwarzを従えてのアルバムで、フォーク・ロックという中での傑作アルバム、この後にThe Kinksの「Muswell Hillbilies」が出てきたのを聴くと、こっちのが全然先に辿り着いていた世界だったか、と改めてこのアルバムの先取り感が判ってくる。しかもそれがまた名盤なんだな。フォーク・ロックと言ってもそれだけじゃなくって、しっかりジミヘンばり、とは言わないけどちょいとナヨいギターでのオブリがガンガン入ってくるのもあって「Blues To Snowy」なんてのは相当にカッコよかったりするし、「Belfast(!)」なんてのはもうフィドルがキレッキレで美しくも悲しく素晴らしい。他は大体あんな感じのフォーク・ロックでレイドバックしたヤツね。だからロック的な熱さみたいなのは総スカン。ところがその歌心で人を惹き付けていくという作品。

 歌が上手いというんでもないしバンドが凄いってんでもない、やってる曲が複雑なわけでもなく
普通にシンプルに歌ってギター弾いてゆったりしているだけ。それが気取っていないトコロで、その気取らなさが売りになるってのに気づかせたという意味では大きい影響を与えたんだろうと思う。そのバックをしっかりと支えている連中もそれぞれ後に大したバンドになっていくワケだし、年を経てようやくにしてこの味わいを堪能出来るようになった自分です。そんだけ名盤なんだよなぁ…。






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フレ
Posted byフレ

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