山内テツ - 伝説のベーシスト



70年代初頭の英国ロックこそが最も刺激的でロックらしい雰囲気を出していたという点に於いては多くの人が賛同することだと思う。そしてその中に一人の日本人ベーシストが二つの大きなバンドを渡り歩いたという事実も広く知れ渡っているはずだ。
そう、フリーのアンディ・フレイザーの後任者、そしてフリー解散後にフェイセスに加入、こちらはロニー・レイン後任者としてバンドに君臨する。どちらも前任者が強烈な個性とカリスマ的音楽センスを持っていたため、どうしても影に隠れてしまう面が大きいが、日本人としてやっぱりこういった功績は嬉しい限りだね。それがあるおかげで、普通ならあまりメインメンバーの欠けた後のバンドってのをあんまり聞くこともないのが、聴いてみよう、ってことになるし。そもそもはミッキー・カーティス達と一緒にプレイしており、フリーが来日した際にどうやらメンバーと意気投合したってのが山内テツさんが渡英するきっかけになったようで、アンディ・フレイザーが脱退後、声がかかったようだ。ま、その後にはご存じ「コゾフ/カーク/テツ/ラビット」っつうフリーらしきアルバムに参加していたりするが。その後は人柄と的確なテクニックを買われてロニー・レイン脱退後のフェイセスに参加し、アルバムだと「ロッド・スチュワート & フェイセズ / ライヴ」で彼のベースが聴けるのは有名な話。
で、まぁ、英国ロック黄金期を最も間近で体験していた伝説のベーシストはその後どうしていたのだろうか?帰国した頃の1974~5年に日本でスーパーセッション的な作品「フレンズ」を残しているようだ。もちろん聴いたことないんだけど。その後には自身のソロアルバム「ききょう」をリリースしていて、これはちょっとだけメジャーなハズ。で、驚くことに最近…っても90年代になってなんだけど、いくつか作品をリリースしているようで、アマゾンにも置いてあるみたい。どうやら、フリージャズ的なセッションという方向性に行き着いている様子で、まだまだ勇姿が聴けるんだ~って思うとちょっと嬉しい。
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