Starz - Violation

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Starz - Violation (1977)
灼熱の砂漠+3(紙ジャケット仕様)

 プロデューサーの重要性を聴いている側がどこまで認識しているのかってのは甚だ疑問で、多少好きならそのヘンも気にしたり名前も見たりするのだろう。でも、やっぱりバンドやアーティストしか見ていないし、その人達のアルバムだから、という繋がりで聴く人の方が圧倒的に多い。プロデューサーのファンで、その人の手がけたバンドを跨って全部集めて聴くというのはあまり多くないだろう。それはそれで時系列に合わせて聴くとそのプロデューサーの作り方の傾向やセンス、音作りの変化が判ってくるとは思うけどやったことないなぁ…。

 Starzの1977年リリースのセカンドアルバム「Violation」。アメリカンハードロックの期待の新星って鳴り物入りでデビューしてきたバンドで、しっかり最初からヒットを放ったのもあって今作での期待も高かったのだろう、ジャック・ダグラスをプロデューサーに迎えてキッスのレーベルからリリースしてきた作品、キッスとエアロやアリス・クーパー絡みという宣伝が出来るのだからこれはもう期待満点になるだろう。それに加えてのStarzというバンドの快活な力強さもあってかなり良作に仕上がっているのは間違いないし、実際に当時から売れていたようだ。聴いてみれば分かるけど、歌は上手いし演奏も上手いし、重さもあるから多少軽やかなメロディを歌っててもきちんとロック的な重心で聴けるという安心さはある。それに加えてこの伸び伸びとした歌の上手さはかなり個性的でファンを獲得できる才覚だろう。

 どの曲もキャッチーながらスパイスの効いたスタンスが垣間見え、それでいてしっかりと聴かせる、ギターもプレイするみたいなのがあるから、さすがジャック・ダグラス、となる。このバンドが以降辿った結果からするとやっぱりプロデューサーの力による処が大きかったバンドのひとつというのは頷かざるを得ない事実だろうし、そのおかげでここまでのアルバムが出来上がったのも事実だ。バンドの力ってのは本当に才能が無いと自身では成り立たないものだなってのを思う。そこを上手くやれるってのもバンドのプロとしての振る舞いでもあるか。

 あ、アルバム自体はそんな理由もあって相当に快活でカッコ良さをしっかりと伴っているアメリカンハードロックの傑作になってます。エアロにもない、キッスにもない、チープトリックにもない普通にストレートにカッコ良さがあるロックをたっぷり収録しています。





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フレ
Posted byフレ

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