Roger Waters - Is This The Life We Really Want?
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Roger Waters - Is This The Life We Really Want? (2017)

ピンク・フロイドがビートルズ並みの評価を得るとか万人に聴かれるバンドになるなんて想像もしなかった。当の本人達だってそうだろう。アルバムごとにそりゃカラーは違うけど決してポップス的に聴ける音楽じゃないし、実験精神旺盛なプログレッシブな代表バンドでもあるし、それがどうして世界各国で万人に聴かれるバンドになったのか。しかも年を追うごとにその評価は高まる一方で、世界レベルでの人気の高さは日本では考えられないほどに高い、だろう。クイーンとかZeppelinってのは分かるんだけどピンク・フロイドがそこに入るのはホント不思議。「Echoes」とかみんな聴いてられるんだ?とかね。
Pink Floydの頭脳と言われるようになったのか…、Roger Watersの2017年期待の新作「Is This The Life We Really Want?」。正に「死滅遊戯」から25年、途中「サ・イラ」もあったし、「トゥ・キル・ザ・チャイルド」もあったけど、フルサイズでのオリジナルアルバムという意味では25年ぶりになるようだ。それでもその間どデカいツアーは何度も行っていて、ライブツアー収入No.1の座に上り詰めるほどに大きなツアーとセットリストを組み上げて活動している。CDが売れない時代にこれほどの大型のツアーでガツンと聴衆の度肝を抜くというショウは他のアーティストには真似出来ないレベルでもあり、それこそロジャー・ウォーターズの世界=すなわちピンク・フロイドの進化系、2017年の世界までを広げている。アナログ時代からデジタルになり、器材も技術も最先端のものを活用しての「The Wall」の再現などいつでも新鮮なショウを楽しめるんだから凄い。ノスタルジックにライブやってますってだけじゃそうは出来ないワケだから、そこにもこだわりがあり、その途中で幾つかの新曲が登場することもあり、それらも含めて本作「Is This The Life We Really Want?」には収録されている。しかもすんなりとアルバムのテーマに沿ってあるべき場所に落ち着いてしっかりとその存在感を出して鎮座しているものだ。
アルバムに針を落として…って針じゃないけど…、アルバムを聴き始めてみれば分かるように、これはもういつものロジャー・ウォーターズの作風、世界そのままで音楽的な面からは大きな進化変化、実験意欲などはさほど見られることなく、淡々と歌詞とその重さの雰囲気を伝えていく作風そのままだ。とは言ってもロジャー・ウォーターズ以外でこういう作風を聴くことはあまりないので、独自路線ではあろう。ファンからしたらいつも通り安定のロジャー・ウォーターズ節で、最先端の何とか、みたいなのを取り入れた音楽という形にはなっていないので安心だ。効果音にアコースティック、オーケストラ、ドラマティックなアルバムの流れ、どギツイ風刺を込めた歌詞、相変わらずの戦争批判と権力批判、現実の世界への目の向け方と逆側からのものの見方による歌詞、以前にも増して文章から単語の羅列へと変化してきている歌詞の作り、それでいてきっちりと思いを伝えていく鋭い単語の選択。はっきり書けば、決して聴きやすい音楽ではないしアルバムでもない。ただひたすら重い雰囲気が歌詞と共に伝わってくるアルバムだ。「The Wall」の途中あたりと同じ雰囲気を持っていて、そこにはヒットソング的なチューンが存在していないため、流れとして重さが増してくる。
いいね。好きです。これぞロジャー・ウォーターズの作品。全く裏切られることなく深みにハマれるアルバム。プログレッシブでもポップでもなく、ロックの重鎮が生み出した正にロック的なアルバム。迫りくる狂気と自身の不安さを同居させてリスナーに訴える、世間との距離感、ひとつの共同体、昔と違ってロックスターが何かを言ったトコロで世界が影響されることなど無いだろうけど、それでもロックというものが持っているアジテーションをして訴えたかった内容が詰め込まれている。間違いなく一人でじっくりと頭を項垂れて聴いていくべきアルバムです(笑)。

ピンク・フロイドがビートルズ並みの評価を得るとか万人に聴かれるバンドになるなんて想像もしなかった。当の本人達だってそうだろう。アルバムごとにそりゃカラーは違うけど決してポップス的に聴ける音楽じゃないし、実験精神旺盛なプログレッシブな代表バンドでもあるし、それがどうして世界各国で万人に聴かれるバンドになったのか。しかも年を追うごとにその評価は高まる一方で、世界レベルでの人気の高さは日本では考えられないほどに高い、だろう。クイーンとかZeppelinってのは分かるんだけどピンク・フロイドがそこに入るのはホント不思議。「Echoes」とかみんな聴いてられるんだ?とかね。
Pink Floydの頭脳と言われるようになったのか…、Roger Watersの2017年期待の新作「Is This The Life We Really Want?」。正に「死滅遊戯」から25年、途中「サ・イラ」もあったし、「トゥ・キル・ザ・チャイルド」もあったけど、フルサイズでのオリジナルアルバムという意味では25年ぶりになるようだ。それでもその間どデカいツアーは何度も行っていて、ライブツアー収入No.1の座に上り詰めるほどに大きなツアーとセットリストを組み上げて活動している。CDが売れない時代にこれほどの大型のツアーでガツンと聴衆の度肝を抜くというショウは他のアーティストには真似出来ないレベルでもあり、それこそロジャー・ウォーターズの世界=すなわちピンク・フロイドの進化系、2017年の世界までを広げている。アナログ時代からデジタルになり、器材も技術も最先端のものを活用しての「The Wall」の再現などいつでも新鮮なショウを楽しめるんだから凄い。ノスタルジックにライブやってますってだけじゃそうは出来ないワケだから、そこにもこだわりがあり、その途中で幾つかの新曲が登場することもあり、それらも含めて本作「Is This The Life We Really Want?」には収録されている。しかもすんなりとアルバムのテーマに沿ってあるべき場所に落ち着いてしっかりとその存在感を出して鎮座しているものだ。
アルバムに針を落として…って針じゃないけど…、アルバムを聴き始めてみれば分かるように、これはもういつものロジャー・ウォーターズの作風、世界そのままで音楽的な面からは大きな進化変化、実験意欲などはさほど見られることなく、淡々と歌詞とその重さの雰囲気を伝えていく作風そのままだ。とは言ってもロジャー・ウォーターズ以外でこういう作風を聴くことはあまりないので、独自路線ではあろう。ファンからしたらいつも通り安定のロジャー・ウォーターズ節で、最先端の何とか、みたいなのを取り入れた音楽という形にはなっていないので安心だ。効果音にアコースティック、オーケストラ、ドラマティックなアルバムの流れ、どギツイ風刺を込めた歌詞、相変わらずの戦争批判と権力批判、現実の世界への目の向け方と逆側からのものの見方による歌詞、以前にも増して文章から単語の羅列へと変化してきている歌詞の作り、それでいてきっちりと思いを伝えていく鋭い単語の選択。はっきり書けば、決して聴きやすい音楽ではないしアルバムでもない。ただひたすら重い雰囲気が歌詞と共に伝わってくるアルバムだ。「The Wall」の途中あたりと同じ雰囲気を持っていて、そこにはヒットソング的なチューンが存在していないため、流れとして重さが増してくる。
いいね。好きです。これぞロジャー・ウォーターズの作品。全く裏切られることなく深みにハマれるアルバム。プログレッシブでもポップでもなく、ロックの重鎮が生み出した正にロック的なアルバム。迫りくる狂気と自身の不安さを同居させてリスナーに訴える、世間との距離感、ひとつの共同体、昔と違ってロックスターが何かを言ったトコロで世界が影響されることなど無いだろうけど、それでもロックというものが持っているアジテーションをして訴えたかった内容が詰め込まれている。間違いなく一人でじっくりと頭を項垂れて聴いていくべきアルバムです(笑)。
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