Nico - Marble Index

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Nico - Marble Index (1968)
The Marble Index

 ロックと呼ばれる音楽の幅の広さはひとつの言葉で語るには広すぎるだろう。ひとことで言えばポップ音楽の中でちょっとだけ尖ってる姿勢があるかどうか、ってことか。音楽としての定義はそこには存在できないだろうとも思う。とは言えどもひとつの音楽ジャンルとしてのロックもあるしもう少し絞った意味合いでのロック、もある。何でもありなんだけど一般的とはちょっとズレてる、ってなトコがわかりやすいか。さて、その中でも最も端っこに位置するロックってのもあって、そのウチのひとつが多分この人、Nico。

 Nicoの1968年リリースのセカンドソロアルバム「Marble Index」。ヴェルヴェッツでのセッションからソロアルバムへと進み、前作「Chelsea Girl」が相当の名盤で一般的なロックとしても大抵挙げられる作品に仕上がっているし、もちろん素晴らしきアルバムなのだが、Nicoの本質はこの「Marble Index」にで発揮されているだろう。ひとつの商品として売れるということは前作で果たしたってことで、今作は徹底的に芸術性に徳化してみたという感じか。もっともジョン・ケイルとの共作でもあるからそっちの色が強く出ている分もあるけど、それにしても地下の水道管と呼ばれたニコの歌声はここで本領発揮している。普通に聴いたら全然面白くもないし聴きたいとも思わないだろうし、5分も聴いていられないだろうからオススメはしないし、これが良いという気もない。

 でもね、コレ、スゲェんだ…。効果音みたいな鍵盤の音とニコの歌声だけで構成されてて、一枚のアルバムになってるんだよ。それで超絶個性が発揮されてて、こういうサウンドと歌はニコ以外には出てこれないだろうし、唯一無二の作風。こうしてアーティストの能力を引っ張り出していくのかなぁ…とも思うけど、あまりにも一般的なトコロからかけ離れている世界観でもある。それでもロックという世界の人間からは好まれ知られている人だから許されているアルバム、たまに聴くとやっぱりスゲェ人だ、っていつも思う。



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フレ
Posted byフレ

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