Humble Pie - On To Victory

0 Comments
Humble Pie - On To Victory (1980)
オン・トゥ・ヴィクトリー

 リスナー側にとってのバンドのイメージと演奏側からしてみた時のバンドという器ってのは大きく異なるのだろう。だから故同じバンド名で全然違う音楽だったりメンツが異なっててもその名義でリリースしたりすることが出ているんだろうしね。それが認められるかどうかってのはリスナー側の話だけど、リリース側はそういう名義だから、ということでリリースしているので、どうあってもバンドのカタログのひとつにはなるワケだ。今に至るまでそんなのありかよ、ってアルバムはいくらでも世の中にあるが、だからといって認められないワケじゃないからやっぱりリリース側のこだわりが長い時間経過してみれば正しかった…ってか狙い通りの効果を出しているってことか。

 Humble Pieの1980年の再結成アルバム「On To Victory」。これもまたスティーブ・マリオットがSmall Facesの再結成が解体した後に同じようにHumbel Pieの再編を目論んでメンツ集めしたトコロ、ジェリー・シャーリーは一緒に出来たものの、他は揃わずでボブ・テンチなんかを誘っての再編成、結果的には別バンドのようなモンだけど名義はもちろんHumble Pieだし、このジャケットでもハンブル・パイなのだ。肝心の音楽性はと言えば、もちろんスティーブ・マリオット独裁政権のアルバムだから思い切りスティーブ・マリオット色が出ているワケで、良くも悪くもあのまま。それでも新たな試みはいくつも手がけていて単なる再編成ってんでもないけど、単純にマリオットがやってみたかったことをやってるだけかもしれない。

 この時代になってしまうとこういう音って一体何がしたかったんだ?ってな話になっちゃうくらいには古めかしいいつものR&B色風なロック、そしてスティーブ・マリオットの暑苦しい歌声は相変わらず健在だから想像できるってもんだろう。かといってポップ寄りでもないし、R&B面が強い訳でもない。上手くやればそれなりの作品として位置付けられたんじゃないか、と思うくらいには良い出来映え。でも、多分どこか好かれなかった側面があったからこそのカタログから無視され続けているアルバムになっちゃってる、気がする。フラットに聴くと、ちょっとくたびれてるし、特筆すべき所もないけど良いアルバムに思える。





関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply