Van Morrison - Astral Weeks

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Van Morrison - Astral Weeks (1968)
アストラル・ウィークス~デラックス・エディション

 長々とロックを聴いててもそれは単に好きなモノを聴いているだけで多少の開拓はしつつもまだまだ知らない名盤や凄い作品なんてのはたくさんあるんだろうし、そういうのに出会えるウチに出会いたい。自分の感性・感覚だって歳と共に変化していくものだからそのタイミングで感動できたりすれば良いんだけどね、結局ロック好きってことは熱い魂の篭ったのが好きってことで、表現に違いはあれども発散しているエネルギーを感じ取りたいということに他ならない、と自分では思ってる。それは超暗い静かな音であっても同じだという矛盾も含めて、ですね。

 Van Morrisonの1968年の作品「Astral Weeks」。この突き刺さり方は尋常ではない。この50年間でこういうのってそうそう無い作品なんじゃないだろうか。誰が聴いてもこの熱い魂は分かるだろうし、とにかく溢れ出てくるエネルギーを何とかしたい、っていう激しい思いだけが出すぎていてそのままアルバムになっちゃったとでも言うべき作品。バックの音だって静かなアコースティック楽器ばかりだし、ともすればジャズですらあるし、しかもほぼ全てインプロに近いレベルでの楽器陣営だし、ロックとは程遠い作品なのかもしれないけど、どこからどう聴いてもロックだ。Van Morrisonのこの熱い魂は一人だけでもロックだ。さすがにアイルランドの雄、今でも残っている現役な人だけあって若い頃からとんがりまくってます。ファンからすればこのアルバムが異色な作品で数あるVan Morrisonの作品の中でも異彩を放っていると言われているが、そりゃそうだろう。こんなのそうそう出来ないもん。

 ホントにね、歌を除くと何だろこれ?ってくらいに静かな音ばかり。でも歌が全てを引っ張ってて、歌の流れに合わせてバックがそれぞれのプレイヤーがそのインプロに着いて行ってプレイしているもので、そうじゃなきゃこれ出来ないだろ。譜面じゃ無理だろうしセッションで出来上がると言うものでも無さそうだし、何か凄いプログレッシブなスタイルでのアルバム。やっぱりこの頃ってのはアイディアがアレば何でもやってみてアグレッシブな作品が出来上がったんだなぁと思う。時代の成せる業、いや、でもこれは凄い。初めて聴いた人には衝撃的だろうし、何度聴いてもコレは驚く。そしてVan Morrisonのこぼれ出てくる魂を毎回感じ続けて味わえる凄み。うん、どう聴いてもジャジーだけどロックだ。





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フレ
Posted byフレ

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