Camel - Nude

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Camel - Nude (1981)
ヌード~MR.Oの帰還

 グループ最初期からどんどんとメンバーが変わっていきつつも、基本路線となる音楽性を保ったリーダーだけはずっとバンドに居続けることでバンドの名前と音楽性の一貫性を維持しているというスタイルは、これだけ長々とロック史が続くと幾つか見つかる。稀に二つに分裂してしまうのもあってなかなか笑えるのだが、Camelはそういう意味では明らかにアンディ・ラティマーのソロプロジェクトとしてバンドが進化していき、今でもそのまま継続しているところが凄い。それでも70年代を抜ける頃にはバンドはほぼ壊滅状態になってて、アンディ・ラティマーが一人で奮起して作り上げていった作品が幾つか続き、それでバンド名を維持していったものの、やはりそのまま続かなかったというのもやむを得ないことだろう。

 1981年作のCamelの「Nude」。終戦を知らないで30年近くも島で生活し続けていた元日本兵の物語をコンセプトアルバムとして語っている作品で、ジャケットもそれが故にシンプルに和風…、全然和風じゃないけど、日本をモチーフにしているよ、みたいな作品で、日本人的にはこれは無いだろ、と思いつつも西洋的な解釈のジャケットセンスに苦笑い…。それはともかくとして、作品としちゃこれまでの作品を聴いてきたリスナーからしてみればそれほど違和感のない音に仕上がっている。メンバー変わってってしまったなぁ〜ってくらいで、アルバムとしては聴きやすいんじゃないだろうか。自分はそこまでのファンじゃないから戦慄するような情感の嵐みたいなのが無いと軽すぎて苦手だなという程度になっちゃうんだけど、音はしっかりしてます、もちろん。このギターの音って苦手でどうしてもCamelってのは軽く聴こえてしまうんだが、それがバンドの持ち味で叙情性をメロディで奏でつつもしっかりと楽曲を聴かせていくってトコだしね。

  自分的にはやっぱり苦手かな。叙情的なのは好きだけど、バンドの音全体としては軽すぎてインストが多いからフュージョン的にもなってくるし、凄く入り込めるって音じゃない。音楽的にギター的に入り込めば多分凄いなぁ…ってなるんだろうけど、音がキレイ過ぎちゃって…、鍵盤みたいなギターって苦手なんだもん。でも、Camelってバンドは初期は好きだし、こうなっていったんだなぁ…という感の方が強いか。しかし「Captured」は驚いた。こんなところで耳にするとは(笑)。





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フレ
Posted byフレ

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風呂井戸(photofloyd)  

Camelはアンディ・ラティマーの病気回復復帰によって、今日もそれなりに活動していることは嬉しいことです。
 ところでこの「Nude」は、第二次世界大戦終戦後、フィリピンのルバング島で29年間投降しなかった、日本兵の小野田寛郎氏をテーマに描いたアルバムでした。当時この話は私には衝撃でしたし、そしてCamelが最も日本に接近したものだが、私は最も聴かないアルバムでしたね。全てが中途半端な感じの曲群で、面白くなかった。
 しかし、その後の「Stationary travellar」で、私の中では完全復活。そして「Dust and Dreams」が私にとっては後期の頂点・・・といった感じです。ここに来るとアンディと女房でCamelは作り上げているんですが、アンディのギター中心としたカラーは決まっていて私は納得していました。
 

2017/03/25 (Sat) 22:16 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>風呂井戸さん

70年代の魔法が解けるとどうにも…って何ででしょうね。

2017/03/26 (Sun) 19:12 | EDIT | REPLY |   

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