Moody Blues - Octave

Moody Blues - Octave (1978)
Octave

 ロックの歴史は生き急いでいる人達がどんどんと作っていってしまった、とも言えるのではないか。あまりにも生き急いで伝説になっていった人やバンドを超えることは出来ず、それでも求められる需要に対してはある程度時代に合ったバンドが出されていき、シーンを賑わしている。それでも命を削った連中にはとうてい届かず、どれもそれなりに、という部分はあるだろう。まぁ、それが良いとか悪いとかってのはあるけど、ひたすらに輝き続けている70年代ロックってのはそのヘンだ。

 Moody Bluesというバンドは60年代からプログレを体現してきて、7作に渡りコンセプトアルバムをリリースし続け、それがまた全てをトータルで聴いてみるとひとつの壮大なるオーケストレーションにすらなるというとんでもない作品群をリリースしていったバンドだ。だから故に1972年にリリースされた「セヴンス・ソジャーン」を最後にそのコンセプトアルバムによる壮大な物語に終止符を打ち、メンバーのソロアルバムリリースへとバンドの形態をシフトしていったのだが、特は流れてその6年後にMoody Bluesとして再度アルバムを作ろう、という事になって作られた作品が「Octave」だ。タイトルからして「Octave」=8音階目というのもあって8番目のコンセプトアルバムかと思わせるかのような仕掛けからしてちょいと失敗したか?誰もがあの壮大なMoody Bluesのメロトロンの洪水によるオーケストレーションを期待したものだが、そうは出てこなかった。もっとロック・ポップ寄りとでも言うべきか、叙情性は相変わらず幾つかの曲で出来上がっているものの、アルバム全体としては少々散漫な、いや、力作なのだが、これまでの作品ほどではなくなった、という所でマイナス評価が多かったと聞く。

 自分的には結構悪くないなぁ、これ、って思って聴いたけど、そりゃ昔の作品の方が圧倒的重厚度が高かったし、プログレッシブだったとも言えるし、物足りなさ感はあったか。良い曲多いけどね。バンドの内情的にはキーパーソンのマイク・ピンダーが既に心ここにあらず状態で参加していたようで、本作で離脱、やはり命削ってバンドに注いだの反動が大きかったようだ。そういうのがあったからこそリスナーも着いて行ったし、今でも伝説のバンドになっていったのだが、この辞典ではそりゃそうだろう。バンドのサウンドには大きく影響してて、ちょいととっちらかった感じはあるけど、最後の最後はかなり力作で、やっぱりMoody Bluesって良いバンドだな、って思える。



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