Gentle Giant - In'terview

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Gentle Giant - In'terview (1976)
In'terview: CD/DVD Edition

 ポップなものの感じ方は色々ありそうだ。一言ポップと言っても本当に万人受けするものもあれば凝りまくった挙句のポップもあったり、ロックなつもりだけどポップだったりするとか色々あって、多分音楽的に分析するとコード進行だったり使われるコードそのものや展開、黄金パターンなどとそれはそれでプロの繋ぎ方があって、だから故にポップにキャッチーに聞こえる風ってのもあるワケで、そういうのを全て駆使して知ってて使って壊してるとか作る側の楽しみ方はいくつもあるようだ。一般リスナーはそれを意識すること無く、聴いてみて良いか悪いか好きかキライかだけしかないんだが…。

 Gentle Giantの1976年作の「In'terview」。1976年にして既にポップ路線をバンドとして打ち出していたというのは早い段階での70年代からの離脱となるんだけど、1981年にバンドが解散してしまうので早い展開だな、このバンドも。過去からずっと難解で正に英国然としたバンド、プログレってもそういうプログレじゃなくて超絶テクニカルな技量に加えての奇妙な音楽センスが絡まったプログレッシブな人達のサウンドで、最初期からヒネたポップ感はあったものの、ここに来て更に一層磨きがかかったヘンなポップ感がでてきている作品。ジェネシスの末期と近い感覚論での進み方なのかな、パッと聴いただけだと、何だこのジェネシスみたいなのは?ってな具合になるが、じっと聴いてると当然それ以上にヘンで、ヘンなのは変拍子が普通に出てきて流れていくから。キャッチーなんだけど凝り具合がハンパないというバックの演奏陣営ってなところだ。

 面白いのはこういうヘンなのは聴き込みたくなるんだけどジェネシスのポップ化したのは聴きたくならないという違い(笑)。ジェントル・ジャイアントのは何か理解していかないとこのバンドの面白さがわからなくて勿体無いんじゃないか、っていう強迫観念でもある。ある種ザッパと同じようなおちょくり感というかユーモア感覚で音楽やってる部分もあって、この「In'terview」ってアルバムなんてのは正にそのままで、インタビュワーへの返答みたいな歌詞だったりするようだし、英国人が本気でそういうのやったらかなりブラックに進むだろうしさ。路線は違うけどそんなこともあるバンド。昔の音は冷たくて聞き辛かったけど、このあたりになると冷たさはなくて、完璧に近づいていて近寄りがたい、とでも言う感じか。いずれにしても一筋縄ではいかないバンドの音、じっくりと聴いていくべきサウンド、ですね。





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フレ
Posted byフレ

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