John Renbourn - The Hermit

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John Renbourn - The Hermit (1976)
隠者(紙ジャケット仕様)

 Led Zeppelinの1970年頃のライブで「Heartbreaker」を聴いてみるとあのギターソロの途中で、クラシカルなフレーズによる独奏が挟み込まれる。随分昔にそれを聴いて、何だろなぁ…と思って調べていくとバッハのリュート組曲って事が判って、それを手に入れて聴いていると正しくあのフレーズ、そしてギターの重奏による旋律ってのも判って、それをああいう形で弾いているのは凄いな、なんて思ったものだ。そこでの旋律は正しく古楽的で美しく、自ずと惹かれていくものだったけど、その由来や他でどういう形で聴けるのかなんてのは全然分からず、何となくの知識だけが蓄積されたものだ。

 John Renbournの1976年の作品「The Hermit」はそんなギターの旋律が大いに詰め込まれた実に美しく気品高く格調高いギターだけの組曲がこれでもかとばかりに繰り広げられている。アコースティックギタークラシックギターでの表現はココまで出来るのか、ってくらいにリラックスしつつも美しき旋律が奏でられ、本気でギターを学ぼうとするならばこのアルバム丸ごとコピーしてみるとものすごい知識量が増えるのは間違いない。基本的にギターだけが鳴っているアルバムで、他の音がないから音は取りやすいし、片方のチャンネルだけ取っていけば、それは一本のギターをそのままコピーするだけに近くなるから、難しくはないんだろうと。ただ、自分の引き出しには全くない音使いとかフレーズとか旋律なので、そこでの指使いなんてのが戸惑うんだろうとは思う。とは言いつつも、自分じゃこんなのは絶対に弾けないって思うけどさ(笑)。

 こういうギター組曲的なアルバムってあまり見当たらないから聴いていると新鮮だし、自分がやっぱりギター好きだからじっくりと聞き入ってしまう。そういえばこのジャケット、「Led Zeppelin IV」の中ジャケと同じコンセプトなんだろうなぁ…、真似でも無いだろうから、深遠な部分での共通項になるのだろうか、歴史とか文化とかそういうお話ね。いや、それにしてもこの人のギターは実にタメになるプレイで、面白い。バート・ヤンシュの方はもっと土臭い部分があるけど、ジョン・レンボーンの方は貴族的な方向というのかね、そういう志向性が相まったPentangleはユニークなバンドだったってことだ。



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フレ
Posted byフレ

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