Helen Merrill - Helen Merrill with Clifford Brown

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Helen Merrill - Helen Merrill with Clifford Brown (1954)
ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン

 年の瀬のイメージは雪がコンコンと降っていて家の中で団欒の時間を過ごしている、そんなイメージなんだけど実際にはそういう事はまずなくっていそいそと何か日常と変わらない生活をしているだけ、な気がする。そもそもそういう雰囲気とかは自分が意識しないとそうならないものだし、それで決め事をして季節や行事の節目を創っていくものだ。そういうのを意識すると色々と時間の感覚が替わってくるとも言う。そうかもな。この時期にはこれやって、とかそろそろこんな時期だから…などなど。まぁ、年末年始ってのはそういうのを意識しやすいタイミングだから日常とちょっと変えるってのは重要だ。…って多分自分は変わらないんだろうって気がするが。

 そんな年の瀬をイメージしてみるとこのヘレン・メリルの名作「Helen Merrill with Clifford Brown」は更にその夜に一人でグラスを傾けて暖炉の前のソファに座って聴きたいアルバム。若きクリフォード・ブラウンのトランペットが強烈に刺さり、クインシー・ジョーンズも参加し、そういう才能ある連中を従えつつのヘレン・メリルの素晴らしき歌声。20代初頭でこの歌声と切なさ、疲れ具合、ため息的な歌、どこを取ってもどうしてそんなの歌える?みたいな歌唱に惚れ惚れする。アルバムは1954年にリリースされている、そう、もう半世紀以上昔に吹き込まれた作品がこれだけの生命力を持って現代に訴えかけてくるというこの変わらない凄さ、熱気が今でも伝わってくるんだもんな、生で見れてたらどんだけ失神できたことか…。

 ジャズに興味を持った最初の頃に聴いてたアルバムで、その時からもう大好きでね、かと言って何度も何度も聴いてたワケじゃないですが、ただ、聴くといつも凄いなぁという感じ。トランペットの存在感が圧倒的でクリフォード・ブラウンのソロ作なんかももちろん聴いたりしたけど、ここでの静と動的なヘレン・メリルとの対比ほど生かされている作品はなかなかないんじゃないかな。これもキライな人は多分いないと思うアルバム。





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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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風呂井戸(photofloyd)  
歌姫を愛して・・・・

いっやー、年の瀬にAlexis Cole そして Heren Merrill と、良いですね。
 Helen Merrillには、54年から92年までのベスト・アルバム「blossom of stars」というアルバムがあって、これを結構聴いてます。これは音の改良は勿論だが、この曲の中で、特にStan Getz との共演を重要視して甦らせるべく、マスターを聴き込んで、そこにヴォーカル・トラックはHelenが歌い直して、その貴重なコラボを完成させて現代に甦らせているという離れ業をしているアルバムなんですね。
 ジャズにはなんと言っても「歌姫」が重要で・・・・今年もその道を歩んで来ましたが、又来る新年にも楽しみたいと企んでいるんです。よろしくお願いします。

2016/12/28 (Wed) 21:33 | EDIT | REPLY |   
デューク中島  
廉価盤ブームの頃を思い出します

やっぱり この二曲ですよね。ジャケット写真も いい感じです。70年代中期にジャズ廉価盤ブームが有って、これを含めて 色んな名盤が安価で 手に入れられ 助かりました。ただ 気持ちは分かるけど、帯が 安いを強調し過ぎてるのが 興醒めで、私は わざわざ 外してます(笑)。

2016/12/29 (Thu) 09:17 | EDIT | REPLY |   
フレ  
素敵なジャケ♪

>風呂井戸さん
新しい知識ありがとうございます。そんな事してたんですね。
ボーカルのみならず、バックの演奏の質にももちろん拘れる彼女の才覚が名盤を生む、ですね。

>デューク中島さん
帯は全部取ります。ジャケットが隠れるのがもったいなくって。
もちろん中にしまってあるんですけどね。

2016/12/31 (Sat) 08:54 | EDIT | REPLY |   

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