Ratt - Out Of The Celler

80年代に入り、新たな時代(…と思われた)を担うギターヒーローが何人も誕生したが今から考えればほとんど誰もきちんとした成功を成し遂げていないのも事実か。しかし一時代を築き上げたことは注目に値するし、素直にそのシーンを間近に見ていた自分たちの世代にとっては華やかな世界に見えたものだ。
ウォーレン・デ・マルティーニ=ラットのリードギタリストもその中の一人で、今でも活動をしているようだしやはり地力は持っているギタリストだったと思う。ラットのもう一人のギタリストロビン・クロスビーはクスリによって(と言うか注射針によりエイズ感染で)今は亡くなってしまっているが、それもあまり話題にならずにいたのは時代がラットを忘れてしまっていたからだろう。それでも一躍ヒーローの座を感じてしまった人生というのはやはり幸せな面もあったんじゃないかな、と凡人ながらに思う。わかんないけどさ。
で、そのラットだが…、う~ん、やっぱりMTV時代のPVのインパクトもあったけど、音的にかっこ良いなぁって思えたのは「Round And Round」。二つか三つの曲のリフをひとつにして弾いているので実に複雑なリフになっていて、コピーするにはかなり難易度の高い曲だった記憶がある。通常ギターソロが弾けないで終わるってのはあったけどこれほどリフが弾きにくい曲も珍しいな、と。ウォーレンが一人で凝って作った曲なんだと思うけど、その分やっぱりかっこよくってね。ボーカルの声域が狭いのも今言われればそうだけどやっぱりそれを使って上手く歌ってたんじゃないかな。クセあったけど。ま、それまでの暗いハードロックというイメージから全く飛び出た明るくキャッチーでカラフルなバンドっつうのもコンセプト勝ちだったかもしれん。で、ウォーレンのプレイって、あんなに力んでピッキングしてよく弾けるなぁっていう右手が特徴的だった。単なる速弾きではなく、ここぞと言う時に速弾きを余裕カマしてくれるっつうクールさが良くてね。アルバムで言うと「Out of the Cellar」って曲。他のギターもキャッチーでポップなの多い。
それからその次のサードアルバム「Invasion of Your Privacy」に入ってるシングル曲「Lay it Down」も同じように変則的なリフだったなぁ。このアルバムからの曲だと初っ端の「You're In Love」が良い♪ 単純明快なリフでキャッチーな歌メロ、そしてこれはPVのインパクトが強かった。古い映画のキスシーンだけを繋いだ名場面集のプロモーション用のBGMみたいな感じで面白かったもん。アルバム全体はあんまり聴いてないかな。
しかし今見て初めて気付いたけどファーストミニアルバム「Ratt」ってこんなにプレミア付いてるの?驚いた…。それにしてもiTunes Store Japan、この辺の音って何にもないんだなぁ…。
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