Eric Burdon & The Animals - Love Is

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Eric Burdon & The Animals - Love Is (1969)
Love Is

 ロックはやっぱり熱気と想いが主なんだよな。技術や才能やセンスや売り出すチームワークなど色々重なるのはあるけど、音楽、というのとロックってのは本質にどちらに軸があるかの違いで、音楽に軸があるロックはやっぱり熱気から入るロックを好む人間にはちょっと違うな、という感を持たせてしまう。いや、それは屈折なだけで、ってのもあるだろうけど、どこかそういうのはあるんだよ。だからロックまがいのを聴いていても、ありゃロックじゃねぇだろ、と本能的に一蹴されるものもあるワケで。面白いよな、そういうの。かと言って音楽的なのわかんなきゃその世界で残れないんだし、そのヘンがバランスというか一発屋の本能と言うか…、やってる側はビジネスも絡むからね、もちろん何かに秀でていかなきゃならんだろうし。

 Eric Burdon & The Animalsの「Love Is」、1969年リリースの作品。なぜに?うん、アンディ・サマーズで思い出したから(笑)。ポリスで活躍したアンディ・サマーズってもう60年代からロックの世界にいて、実はジミヘンだろうとピンク・フロイドだろうとほとんど一緒の世界でその頃からシーンにいた人でね、花開いたのがポリスだったってだけな人。それでも凄いのはそんな古くからプロでやってたのに、ポリス結成前には一旦全部辞めてアメリカへ音楽学校へ言って理論から何から全部学んでいたみたい。だから自分のセンスと才能だけじゃなくて、きちんと音楽を知ろうと決断したんだよね。それが花開いてああいう独特のコードワークによるギターの展開が生まれたのだろうし、それはポリス結成前の作品郡ではさほど聴かれないプレイスタイルだから一目瞭然なんだよね。ある程度ああいう分散的なギターだったり単に歪んでるだけってのとは違うから素地はもちろんあったんだろうけど、あそこまで発展させたのはそういう背景からなんじゃないだろうか。

 そういうのもあって引っ張り出してきたのが「Love Is」。ほとんどがカバー曲で、エリック・バードンも心機一転というか、歌に専念していたというかそういうアルバムで、かなりの力作。そこでの鍵盤奏者はあのズート・マネー、そこからアンディ・サマーズなワケで、このサイケモッズ野郎たちがエリック・バードンのサイケ感に合流したというべきか、時代なんだろうな、根底にその空気が流れている…のは多分オルガンの雰囲気とかか。アンディ・サマーズってこのあたりでソフト・マシーンにも参加したりしてるというのも面白くてね、しっかりと英国のアングラシーンに通じてるんだもん。一方ではアニマルズのエリック・バードンという超メジャーなトコでしょ?器用な人だったんだろうね、アルバム聴いてるとどうしてもエリック・バードンの歌声とか楽曲そのものに耳が向いてしまうんだけど、思い出したようにギターに耳を傾けてみるともちろん鳴ってる…けどそこまで個性はないかな。こういうのからそのバンドや歌手に興味を持ってしまう人の方が多いんじゃないだろうか。それくらいに強烈なインパクトのある歌声と鍵盤です。

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フレ
Posted byフレ

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デューク中島  
MGM時代のアニマルズ

スカイパイロット、サンフランシスコの夜とか いい曲もありました。有名な 68年来日時、893系呼び屋に えらい目に遭ったと言う不幸なエピソードもあって 解散してしまいました。それがなくても 時の流れから あの路線を続けるのは 無理だったでしょうが。昔、有名な日本人アーティストが その時、サインもらおうと楽屋に行ったけど、アンディ サマーズに 冷たくあしらわれたって 言ってたかと思います。

2016/12/21 (Wed) 18:18 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>デューク中島さん

自分はもうこの辺になるとリアル感ないのでそういったお話にワクワクしますね。
その頃の日本なんてものすごく下に見られてただろうし、わかります。

2016/12/25 (Sun) 08:52 | EDIT | REPLY |   

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