The Clash - Pearl Harbour ‘79

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The Clash - Pearl Harbour ‘79
パール・ハーバー’79(紙ジャケット仕様)

 ロックを聴くようになって長いけど、最初の頃=ガキな頃にレコード屋さん行ってしげしげと眺めて買った、または何かで見て、知ってどうしても聴きたい、欲しい、って思ってアチコチ探し回って買ったってレコードはやっぱり思い入れがある。しかもそれで中身が無茶苦茶カッコ良かったら最高だ。そうそう巡り合うこともなかったそんな機会だけど、The Clashの「パール・ハーバー’79」は自分的にそういう最高の一枚だった。時代的にはちょいとズレていたのでリアルタイム感はなかったんだけど、まだこのレコードが新品で売ってたから良かった。中古でこの状態で出てくるのもあったんだろうけど、そんなの知らないから近くのレコード屋全部覗いて探していた一枚だったんだよね。きっかけは多分ロックな先輩のトコでThe Clash聴いて凄く欲しくなって、それは多分セカンドの「動乱(獣を野に放て)」だったんで、同じのじゃなくてちょっと違うのがいいな、って思ったんだと思う。んで、このレコード、全面に厚紙な帯ってのか、一枚くるりと厚紙で巻かれているのでレコード屋の棚に入ってても、分厚くて目立つしその分丈夫だし、なんか特別感があってさ、しかもシングルまで付いてるんだからなんて豪華なレコードなんだ、って感じ。もちろん「パール・ハーバー’79」なんてタイトルもイカしてたしカッコ良すぎ♪

 実態は1977年にリリースされたThe Clashのファーストアルバム「白い暴動」の曲順が異なっていて幾つかのシングル曲が加えられたアメリカリリースバージョンの国内盤で、このピンクの熱い帯をズラすとあのジャケットが出てきます。こういうジャケが印刷されてるジャケットでなくて、これはあくまで太い帯なワケで、と。もちろんそんなの外してたら破れそうだったんでちょっとしかズラしたことないけど(笑)。だから自分のThe Clashとの最初の邂逅がこの「パール・ハーバー’79」なんだよね。もうね、ひたすらに聴きまくった。最初からカッコ良いから音がどうのとか気にしなかったもん。どうやってるんだろ?とかこういうコードなんだ、とか…、当時もうギター触ってたから一生懸命音探しながらさ、それでもなんかやっぱ違って出来ないし、パンクなんだから簡単なハズなんだが、どうもこういう感触で弾けない。ヘンなの、なんて。まぁ、とにかく捨て曲なしどころか初期の傑作名曲ばかりが詰め込まれてて、今聴き直しててもやっぱり凄くかっこいい。これを二十歳すぎくらいのガキが作ってやってたんだ…ってのがホント、驚き。「Clash City Rockers」のシンプルだけど強烈なインパクトを放つリフ、「反米愛国」の堂々とした反米なサビとメロディ、「Complete Control」の美しい寂しさすら覚える秀逸なコーラスメロディ、大好きだ、これ。裏から入ってヘンな「白い暴動」(笑)、この勢いの中で妙なレゲエ感が心地よい「ハマースミス」、叩きつけるようなサビが当時の熱気を伝える「London’s Burning」、問答無用に体制批判している「I Fought The Law」、イギリスオリジナル盤のオープニングを飾っていた実質クラッシュのアルバム一発目の「Janie Jones」、勢いを叩きつけていくスピード感満載の「出世のチャンス」、シンプルだけど非凡なセンスが感じられる「What’s My Name」、さすが英国と言わんばかりのメロディとバンドのイメージをも打ち出したメッセージが強烈な「Hate And War」、こんだけレゲエを全面にこの時点で出してきたのは他にはないだろってくらいにベースラインとツインギターの絡みがよろしい「Police and Thieves」、ガレージサウンド満載ながらもスタンダードにロックをやっている感の強い「Jail Gutar Doors」、いつだって最高のThe Clashサウンドの代表とも言える、秀逸なメロディとまんまガレージな音と瞬間的に鳴る美しいクリーンなギターの音、そんな組み合わせがかっちょよい「Garageland」。

 アルバムはこんな感じで流れていくので全く時間の流れを感じさせないスピーディな展開に呑まれていくんだよなぁ。今聴いたってそんだけ流されていくんだからさ、しかも一曲づつが短いから聴きやすいワケさ。アナログだったから途中の息継ぎがあるのも余計にそれを感じさせるのかもね。絶対アメリカ盤のファーストの方がカッコ良いと思う。んで、しかも「Groovy Times」「Gates of The West」ってシングルが付いててさ、当時の、だから1979年頃のクラッシュのシングルだからこのアルバムで聴ける最初期の勢いあるサウンドからは既に大人になってしまっているので、全然違う印象を持つのは間違いないだろうけど、それでもその時のクラッシュの最新の音を一緒に届けようということで付けられていたワケで、ありがたくその恩恵を享受していた。が、当時は何か大人になってるなぁ…という印象しかなかった(笑)。どちらの曲もかなりスタンダードなロック、アコギまで入ってるから普通のロック的でやはりアルバム「ロンドン・コーリング」あたりに入ってて良い感じだもんね。時系列に入ってるシングル集あたりで聴くと違和感なく聴けるんだけど、こういう所で聴くとちょいと大人しいのは当たり前ではあるか。

 そんなカッコ良いクラッシュの「パール・ハーバー’79」を久々にフルで満喫。何か自分の若い頃の熱いロックへの想いが再燃してきたもん(笑)。





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フレ
Posted byフレ

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デューク中島  
イレギュラーながら名盤でした

おっしゃる通り これは ハマります。私にとっては、ファーストとセカンド迄が クラッシュのピークで、ロンドンコーリング以降は 別のバンドになった感じです。初来日も コンバットロックの後だったので、トミーガンやアイ フォート ザ ロウはおろか、初期名曲が 何も聴けず、ガッカリでした。

2016/12/19 (Mon) 21:49 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>デューク中島さん

この勢いを聴いてての初来日公演はGAPあったでしょうね…。
ホント、よく聴きました、これ。

2016/12/25 (Sun) 08:51 | EDIT | REPLY |   
背中合わせ  

これが太い帯だったとは知りませんでした!
ハマースミスやI Fought The Law やシングルまでついているなんて何とお得な。
クラッシュは何度聴いても飽きないし映像作品もかっこいいからずーっと見てしまいます。

2016/12/25 (Sun) 19:55 | EDIT | REPLY |   

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