Magnum - Kingdom of Madness

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Magnum - Kingdom of Madness (1978)
Kingdom of Madness

 旅に出るぞ、と決める動機は色々あるのだろうが、意図せずして出かけないといけない旅ってのもあって、そうなるとやっぱり行きたくないのか、行くべきなのか、みたいなことを悶々と考える。行った方がそりゃ良いし楽しめるんだろうけど、突然すぎるし…と計画が定まらないままで進むのがちょっとイヤな気がするとか理由は色々とある。ただ、結局行けばいいか、となる。かかるカネと見返りの楽しみ、というトレードオフが旅の楽しみなワケだし、今までも旅ってのはあまり後悔したこともないので、良いところしか思い出さないのだろうよ。

 Magnumの1978年デヴューアルバム「Kingdom of Madness」。いや〜、恥ずかしながらこのMagnumってそんな古いバンドって認識があまりなくってバンド名だけでメタル系とかそのヘンのバンドなんだろう、って勝手に思ってました。いや、それが英国プログレハードの筆頭株なんて思いもしなかった。え〜?そうなの?って聴いてみて初めてその意味を知った次第。そこからは随分と楽しませてもらったバンドにはなるんだけど、とことんまで好きだと言えないのはやっぱり産業ロック的ポップさと言うか、そんなの狙ってなかったにしても音作りがそのまんまなので、何かな〜ってのはある。ただ、やってるサウンドは随分と面白くてQueenでもありプログレでもありELOでもあり、みたいな所で、アメリカのあのヘンのヌケの良いサウンドとは大きく異なる湿った空気たっぷりなサウンドが好ましい。

 ファーストアルバムなのにこの完成度の高さは今後を期待させるアルバムだったんだけど、時代の波がそれとは交わらない方向に進んでいったからか、随分と苦労してバンド活動を続けていたようだ。少なくともこのアルバムあたりでは一つの光を見るかのような方向性だったように思える。ポップでいながらハードロックでアレンジは結構凝っててサウンド的にはメロトロンまで出て来る始末、というロックファンには堪らない要素が含まれているしね。何かのきっかけさえあればブレイクしていったバンドなのか、時代に呑まれてしまったバンドなのか、なかなか難しいけど、こういう音が英国からも出ていたってのがやはりユニークな存在。だから歴史漁りはやめられない。



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フレ
Posted byフレ

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