Jeronimo - Cosmic Blues

0 Comments
Jeronimo - Cosmic Blues (1970)
Cosmic Blues

 音が良い、悪いというのは時代によってどんどんと変わっていくのだろうけど、どんなのが本当に良い音なんだろね。今のデジタル技術で録られた音は確かに今は聞きやすいしきちんと本来の楽器屋声が持つ音を捉えて再生してくれているのだろう。しかし、それなら昔の音も同じように生々しくその次代の音を伝えてくれている。レンジの幅や情報量と言う部分では圧倒的に少ないのかもしれないから、そういう所で音の良さが変わってくるのかな。もちろん録るという部分から違うんだから当たり前だけど、じゃ、肉声や生バンドの音だったら今と変わらないって事ではあるよな。でも、ま、アンプとかあるし結局ロックの世界って機材の発展で音が変わっていくのはしょうがないのだ。

 1970年のドイツの田舎から出てきたJeronimoというもちろんダサいハードロックなバンドのファーストアルバム「Cosmic Blues」。有名なのはセカンドの酋長ジェロニモの写真の「Jeronimo」だけど、こっちは出てきたばかりの頃の音で、とにかくエネルギーやパワーが凄い。曲は妙にポップセンスあったりして不思議な音が出て来るし、やってることはハードロックとR&Rの合いの子だけど、メロディがダサダサのポップさ。メロディーだけ取ったらGFRやランナウェイズみたいなモンじゃないか?ってのは言い過ぎだが…。そうか、ギタリストがセカンドだと交代しているんだな、だからこっちのはそういう意味でまだハードロックだぜ、って方向性も明確にはなっていなかったのかもしれない。

 実に生々しい録音でのアルバムに驚くが、これこそ冒頭の文章に繋がるサウンドで、迫力やら白熱さってのはもう凄いのがマザマザと伝わってくるし、目の前でツバが飛んで来るくらいの勢いだろって音で聞こえるんだから堪らない。なんつうかなぁ…ドラム含めて凄くドライブしてるの。リズムキープってよりもドライブしてて、妙にファンキーなのもあったりして、実はハードロック一辺倒なバンドじゃないんだろう、って云うのはメロディでもリズムでも感じる。ベースも結構それに追随してて何やら実は訳の分からない方向性が出ているアルバムだ。そこでセカンドで方向を定めたって所か。そんなことを感じながら単純に笑って聴けてしまうアルバム、いや〜、もっとガツンガツンと楽しみたかったのがこういう風に力が抜けるとはね、なかなか楽しめるよ。



関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply